中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

ブラウン監督続投へ 付帯条件撤回し謝罪 '08/10/22

 ▽週内にも契約

 来季の契約交渉が難航していたプロ野球広島東洋カープのマーティー・ブラウン監督(45)が二十一日、広島球団と今週中にも契約を結ぶ見通しとなった。

 同日午前、ブラウン監督の代理人から、監督の権限強化などを求めた三項目の付帯条件を削除する旨と、「不愉快な思いをさせて申し訳ない。後悔している」などと監督が記した謝罪文が球団に届いた。これを受けて球団側も契約へ向けてあらためて条件提示することを決めた。

 年俸など条件面での隔たりはないため、合意し次第、監督が球団事務所を訪れ、契約する。契約年数は一年で、Aクラス入りすれば、翌年の契約を保証する条項が盛り込まれる予定。秋季キャンプ、ドラフト会議にも参加する。松田元オーナーは「謝罪に感銘を受けた。感情的な対立はもうない。解消した」と話した。

 球団とブラウン監督の交渉は、八日に同監督が代理人交渉を求めたのを機にこじれた。三項目の付帯条件を契約書に盛り込むよう要求したことで、球団が態度を硬化。交渉を一時凍結し、監督側に説明を求めていた。(五反田康彦)

 ▽球団、感情より現実 チームづくりの遅れ回避

 交渉が暗礁に乗り上げたのは17日、監督側からの2回目の返答だった。年俸、契約年数について歩み寄りがあったが、「3項目の付帯条件」に球団は激しく反応した。1項目は監督権限の強化を求めるもの。残りの2項目は3年間ですでに認めてきたものだった。

 球団は「話し合いで決めてきたことを契約書に盛り込んだのは、フロントを信頼していないことの証明」と態度を硬化した。球団内には「3項目を削除したとしても、感情的な溝は消えないのでは」との意見もあり、一時は交渉決裂に傾いた。

 「急転」への流れができたのは、交渉を凍結していた18、19の週末の2日間だった。「続投を要請した原点に立ち返った」と松田オーナー。決裂すれば、短期間で新監督を人選する困難とチームづくりが遅れるリスクを背負う。感情的な部分を除けば、ブラウン監督とは年俸、契約年数などの隔たりは小さい。現実的な要素を考慮し、球団にとって「合意」がベストな選択であると結論づけた。

 「続投断念もやむなし」の強気の姿勢から「合意優先」の現実路線へ、方針を転換した。

 20日、顧問弁護士に連絡を取り、「まとめに入ってほしい」と指示。付帯条件についてブラウン監督に説明を求めたことも、「円満合意」に向け、球団が敷いたレールだった。(小西晶)

【写真説明】今週中にも契約合意の見通しとなったブラウン監督。左はリブジーコーチ(9月28日・広島市民球場)




MenuNextLast
安全安心
おでかけ