県の救急医療体制について専門家の立場から検討する県救急医療運営協議会の「病院前救護体制検討部会」(部会長・新沢敏章県医師会常任理事)が20日、宇都宮市内で開かれ、救急医療用で医師が同乗する「ドクターヘリ」について、部会として県に導入を提言することを決めた。福田富一知事も導入に前向きであることから、早ければ09年度末にも事業が開始される。ヘリポートの設置場所は、独協医大(壬生町)が有力とみられる。
部会では、県側からドクターヘリの需要予測が示された。昨年、県内で救急車で搬送された患者数は6万3944人で、死亡したり重篤だった患者のうち、現場から病院まで搬送に30分以上かかったケースなどを集計し、376件がドクターヘリが必要だったと推計した。
ドクターヘリは現在、13道府県で導入されている。県の試算では、ヘリポートの整備など初期費用として1億5000万円かかり、運営費は年間約1億7000万円。運営費は国と県が半分ずつを費用負担する。県内に5カ所ある救命救急センターのうち、独協医大が設置に向けて検討を進めており、同大にドクターヘリが置かれる見込み。【葛西大博】
毎日新聞 2008年10月21日 地方版