【発明の名称】 |
合成樹脂製コルゲート二重壁管の接続方法 |
【発明者】 |
【氏名】堀内 義康
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【目的】 |
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【構成】 |
内周面が平滑で外周面が凹凸波形の同一径の合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管同士の管端を突き合わせ、当該突き合わせ部の外周に、当該突き合わせてなる本管の外径よりも僅かに大きめの寸法または内径を有し内周面が平滑なシート状またはチューブ状の継手を巻き付けまたは装着して前記合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管を接続する方法において、当該継手と前記本管との間に区画される凹部空間に、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材を注入して接続を行う合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内周面が平滑で外周面が凹凸波形の同一径の合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管同士の管端を突き合わせ、当該突き合わせ部の外周に、当該突き合わせてなる本管の外径よりも僅かに大きめの寸法または内径を有し内周面が平滑なシート状またはチューブ状の継手を巻き付けまたは装着して前記合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管を接続する方法において、当該継手と前記本管との間に区画される凹部空間に、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材を注入して接続を行うことを特徴とする合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法。 【請求項2】合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管が、ポリオレフイン製コルゲ−ト二重壁管である、請求項1に記載の合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法。 【請求項3】ポリオレフイン製コルゲ−ト二重壁管が、ポリエチレン製コルゲ−ト二重壁管である、請求項2に記載の合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法。 【請求項4】コルゲ−ト二重壁管の本管が、その外周面が螺旋状凹凸波形に構成されたスパイラル管である、請求項1、2または3に記載の合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法に関し、特に、スパイラル状のポリエチレン製コルゲ−ト二重壁管を継手により接続して送排水配管を形成していく際に、水密性の極めて高い配管施工工事をなし得るシ−リング技術に関する。 【0002】 【従来の技術】一般排水や公共下水道などの配管として、ヒュ−ム管、ポリ塩化ビニル単層管、鉄管などがあるが、最近では、高密度ポリエチレンを主体とした合成樹脂製コルゲ−ト二重管(二重壁管)が多用されつつある。この二重壁管の一例は、当該ポリエチレンよりなる内壁、外壁よりなっており、管内面が平滑で、管外周がスパイラル状(螺旋状)の凹凸形状よりなっている。このようなコルゲ−ト二重壁管が多用されつつある理由は、従来の管に比べて、軽量で、取扱い施工性が良好であることに加え、可撓管としての埋設強度に対する高剛性管としての実績が評価されつつあることなどによる。しかし、このものは、その一方で、その素材がポリエチレンよりなり、元来、極性基を有しない材料よりなるため、接着性がなく、溶剤などが使えないこと、それに加えて、その管外周が螺旋状の凹凸面になっているためにその接続シ−ルが難しいこと、熱、外力などにより寸法が変化し易く、それに対する対策が難ししいこと、ヒュ−ム管や鉄管などに比較して寸法精度の高いものを作り難いことなどの問題がある。特に、コルゲート管でスパイラル状となっているので、水の流路が複雑多岐にわたり、水漏れを生じ易く、さらに、管自体が熱、外力などにより寸法が変化するのでパッキンを入れても、そのパッキンは当該寸法変化に追随できず、水漏れを生じ易くしている。 【0003】従来、この種のコルゲート管の結合には、鉄板(通称ブリキ)や、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)その他の樹脂板、またはポリエチレンなどの成型物等が素材として用いられ、形状的には平板状のものを、円周の長さに少し余裕のある一枚ものにしたものか、または、円周の半分かあるいは1/3の長さ程度のものを組み合わせるとかの方法で、これらを継手として、パイプ外周に巻き付ける如くにして装着するのが一般的である。しかし、コルゲート管の外周はスパイラル状乃至リング状に溝が構成されており、ポリ塩化ビニル管のような単層構造ではない上に、上記したように、素材がポリエチレンなどのポリオレフィンの場合には、接着が出来ないため、接合部分の水密性の確保が難しいという問題がある。また、継手による管の接続に際し、単なるシート状継手を管に巻き付けた後、多くの場合ボルト、ナット等を用いて結合するが、強く締め付けるとシートが伸びたり、相当に強く締め付けてもパイプの抜けが発生することがあり、その防止策として、シートに突起を設けたり、細長のコ字形鉄板等を挟み込むなどの方法が取られている。しかし、このような抜け防止のためのシートに突起を突設する方法や鉄板の折り曲げ部分を管の溝に挟み込む方法などでは、あくまでも部分的な処置に止まり、強度的にはそれほど信頼性のあるものではない。そして、管体外周と継手の内面は、それ等自体で完全密着は期待できないため、そのスキマを埋める方法として、溝部にブロック状のスポンジ体を巻き付け、その外周にプラスチックシートを巻き付ける方法とかまたはノロと称されるセメント系樹脂入りモルタルなどを充填剤としてスキマに充填する方法等がとられている。しかし、これらの方法では、強圧力によりプラスチックシートを締め付け、内部のスポンジ体を押し漬すことによって止水性を確保しようとしても、全体的な均一圧縮は難しく、少しでも緩みのある時には、その部分が水の通り道となり、充分な水密性を確保することが困難になり、また、装着時に、スポンジ体が切れたり、シートの重なり部分や溝ブロック部分で、充分な押し漬しが期待できなかったり、さらに、殆んどの場合、それぞれが固体として、隣りあわさっているだけで、スキマを少なくして水の通る道を無くそうとしょうとしても、実際には完全な密閉状態を造り出す事が難しく、必ずしも、期待どおりのシール性が発揮出来ないというケースが多い。特にスパイラルパイプの場合の止水が困難である。従って、当該分野では、浸水、漏水が防止され信頼性の向上したシ−リング技術を行なうことは難しいが、それを解決することが重要課題となっている。 【0004】 【発明が解決しょうとする課題】本発明はかかる技術的背景の下、上述の如く、信頼性のあるシ−ル性を有する接続施行工事が難しいとされるコルゲ−ト管の好適な接続施工技術を提供することを目的としたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するための本発明は、内周面が平滑で外周面が凹凸波形の同一径の合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管同士の管端を突き合わせ、当該突き合わせ部の外周に、当該突き合わせてなる本管の外径よりも僅かに大きめの寸法または内径を有し内周面が平滑なシート状またはチューブ状の継手を巻き付けまたは装着して前記合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管を接続する方法において、当該継手と前記本管との間に区画される凹部空間に、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材を注入して接続を行うことを特徴とする合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法に係り、特に、合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管が、ポリオレフイン製コルゲ−ト二重壁管、就中、ポリエチレン製コルゲ−ト二重壁管である上記合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法に係り、本発明は、特に、コルゲ−ト二重壁管の本管が、その外周面が螺旋状凹凸波形に構成されたスパイラル管である場合に好適な合成樹脂製コルゲ−ト二重壁管の接続方法に係るものである。 【0006】次に、本発明の方法について適宜図面を参照しつつ説明する。図2および図5に、本発明に係るコルゲ−ト二重壁管を接続し配管を構成していく実施態様の例を示す。これら図において、1は、本管であり、当該本管1は、コルゲ−ト二重管1Aとコルゲ−ト二重管1Bとからなる。当該コルゲ−ト二重管1A,1Bは、合成樹脂例えばポリオレフィン系合成樹脂により構成されている。ポリオレフィン系合成樹脂として、特に、ポリエチレン就中高密度ポリエチレンであることが好ましい。図1および図4に、継手を用いて、上記コルゲ−ト二重管1Aとコルゲ−ト二重管1Bを接続していく要部断面構成図を示す。図1および図4に示すように、上記コルゲ−ト二重管1Aとコルゲ−ト二重管1Bは、内周壁2と外周壁3とからなっている。内周壁2の内面は平滑である。外周壁3の外周面は螺旋状の凹凸波形(凹凸部)30,31に形成されている。これらコルゲ−ト二重管1A,1Bは、同一径の円筒体に構成されている。本管1は、これら接続しようとする二本のコルゲ−ト二重管1A,1Bの管端を突き合わせてなる。 【0007】これら図1および図4に示すように、また、図2および図5に示すように、本管1の当該管端突き合わせ部を中心として、その外側に、シート状またはチューブ状の継手4を巻き付けまたは装着して、当該継手4により、上記コルゲ−ト二重管1Aとコルゲ−ト二重管1Bを接続していく。図1および図2に示す例では、シート状の継手4を巻き付け接続する場合の実施態様の一例を示す。当該シート状の継手4は、例えば、合成樹脂シート好ましくはポリエチレン特に高密度ポリエチレンシートまたは金属板よりなる。当該シート状の継手4は、本管1の外径よりも僅かに大きめの寸法のものとし、これを本管1の当該管端突き合わせ部を中心として、その外側に、図2に示すように、巻き付ける。 【0008】図4および図5に示す他の例では、チューブ状の継手4を装着して接続する場合の実施態様の一例を示す。当該チューブ状の継手(以下、外装管継手という)4の例としては、本管1と同様のコルゲ−ト二重管よりなるものが挙げられる。当該好ましい例として挙げたコルゲ−ト二重管は、前記本管1と同様に内周壁5と外周壁6とからなる。内周壁5の内面は平滑である。外周壁6の外周面は、螺旋状の凹凸波形(凹凸部)60,61に形成されている。当該外装管継手4は、前記本管1と同様に合成樹脂例えばポリオレフィン系合成樹脂により構成されている。ポリオレフィン系合成樹脂として、ポリエチレン特に高密度ポリエチレンであることが好ましい。当該外装管継手4は、その内径が、当該本管1の外径より若干大き目のものとする。当該外装管継手4の内径は、本管1のコルゲ−ト二重管1A、1Bの外径よりも若干(1ミリ〜5ミリであることが好ましい)大きめとすることにより、本管1に装着することができる。当該外装管継手4は、これに見合う内径をもったコルゲ−ト二重管を適当な長さに短かく切断することにより得ることができる。 【0009】前記シート状の継手4の巻き付けまたは外装管継手4の装着により、図2等に示すように、当該シート状の継手や外装管継手4と前記本管1との間には、凹部空間(空隙)7が区画形成される。当該空隙7に、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材8を注入する。当該継手4には、当該充填材8を注入するための注入貫通孔9が設けられている。当該注入貫通孔9の位置は、上記空隙7に合う様にする。充填材8の注入は、例えば、当該注入貫通孔9に、注入用筒例えばパイプやじょうご状筒10を装着し、当該パイプやじょうご状筒10の上部から、充填材8を流し込みすればよい。当該充填材8の注入に際しては、図5に示すように、注入貫通孔9の近傍に例えば5ミリ以下の小さなエア−抜き孔11を設けておくとよい。当該充填材8の注入に際しては、その注入前に、本管1の管端突き合わせ部の外側に巻き付けまたは装着したシート状またはチューブ状の継手4による結合を強固にしておくことが必要である。図2に示すように、シート状の継手4を、締め付け部材例えばバンド12により締め付け固定後に、必要個所を溶接または溶着13する。外装管継手4を使用する場合、当該継手4に、本管1の軸方向に沿う割りを設けて強固に締め付け固定するようにしてもよい。 【0010】本発明では、当該充填材として、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材を用いる。ジシクロペンタジエン(DCPD)は、粗ベンゾールまたは石油分解ナフサから回収することにより得ることができる。また、シクロペンタジエン(CPD)を熱二量化することにより得ることができる。後者の製法にあっては、ナフサ分解油のC5留分中に15〜20%含まれるシクロペンタジエン(CPD)を熱二量化することにより得られるが、他にCPDとイソプレン、1,3−ペンタジエンとの共二量体も含まれる。この二量化と解二量化、蒸留操作の繰り返しにより、高純度のDCPDを抽出することができる。当該ジシクロペンタジエンは、ポリオレフィン特にポリエチレンとの間に相溶性がある。ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材は、例えば、それぞれDCPDを含有するA液とB液とからなる二液型のものを用いることが好ましい。当該二液型のものは、例えば、A液がジシクロペンタジエンモノマー液と共触媒とを含有して構成され、また、B液がジシクロペンタジエンモノマー液と主触媒とを含有して構成されている。A液およびB液には、各種添加剤を添加してもよい。注入に際しては、例えば、ジシクロペンタジエンと触媒とを含有する二液を、適当な比率で、例えば、1:1の比率で混合し、注入する。当該混合により、反応し、発熱する。樹脂化が行われる。上記充填材は、例えば、50°C以上の温度に発熱する。本管1や外装管(継手)4を構成するポリエチレンの軟化温度は、通常、80°C程度から始まり、130°C程度でその溶融が開始される。上記反応は、注入直後の一般に数分間で行われるため、本管1や継手4そのものが深く全体的に軟化してしまうことはなく、表面のみの瞬間的溶融によって、当該充填材8とポリエチレンとの結合が行われる。この場合、発熱温度との関係で、緩い結合から強固な結合まで幅をもたせることができ、そのコントロールが容易である。充填材8は、上記施工方法から流動性をもつことが好ましいが、その粘度は、水に近い程度で極めて低く、注入に際しては、特別に圧力をかける必要はなく、重力を利用した程度で十分である。上記混合に際しては、注入前に混合を行うことが出来るような、例えば、スタティックミキサーのような混合器具・装置を付設しておくとよい。 【0011】当該DCPDを含有する充填材とポリエチレンとの結合が行われることから、本管1がポリエチレン製コルゲ−ト二重壁管であり、また、継手4が同様のポリエチレン製であることは好ましいことである。図4および図5に示すような本管1と同様に内周壁5と外周壁6とからなり、外周面が螺旋状の凹凸波形(凹凸部)60,61に形成されているコルゲ−ト二重管の外装管継手4を用いる場合も、本管1の外周壁面3の螺旋状の凹部30と当該継手4の内周壁との間で区画された空隙7にて注入充填されたジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材と当該ポリエチレン表面との間での結合が行われ、強固の結合をなし得る。この場合、当該空隙7の断面寸法が大きい程効果があり、例えば、断面寸法で、10X10mm程度以上の当該空隙7を有することが好ましい。また、管の呼称寸法として、約300インチ以上であって、さらに大きなサイズのもの程良好である。図示のように、本管1とシート状の継手や外装管継手4との間で区画された当該空隙7には、注入されたジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材8が充填される。 【0012】充填材を構成するDCPDは、上記のように流動性をもつが、むしろ、流動性が良過ぎる為に、十分な流出防止シールを行うとよい。その一例は、図3および図1に示すように、本管1の凹部空間30の形状に近似した断面を有する流出防止シール部材14を、本管1の螺旋状の凹部30に巻き付けるとよい。当該施工例の一例は、図3に示すように、当該発泡ポリエチレン製のヒモ状長尺体14を、本管1の各コルゲ−ト二重壁管1A、1Bの螺旋状の凹部30に、一周以上巻き付け、当該ヒモ状体12間の螺旋状の凹部30は空間としておき、当該空間に前記のように、充填材8を注入する。当該発泡ポリエチレン製のヒモ状長尺体14は、本管1の各コルゲ−ト二重壁管1A、1Bの螺旋状の凹部30からその外部に突出していることが好ましい。上記では、流出防止シール部材14として、発泡ポリエチレン製のヒモ状長尺体を用いる例について説明したが、当該機能を有するものであれば、ヒモ状体に制限されず、帯状体、ロープ類などでもよいし、また、その材質形態として、ポリウレタンフォ−ムなどの発泡体、織布、不織布、フェルトなどであってもよいが、止水性や前記したDCPDを含有する充填材とポリエチレンとの結合を考慮すると、発泡ポリエチレン製のヒモ状体が好ましく、十分な巻き付けが出来るような長さをもつ長尺体であることが好ましい。当該ヒモ状長尺体14は、シート状の継手や外装管継手4により締め付けされ、圧縮され、充填材8の流出を防止する。 【0013】上記の実施例においては、外周面が螺旋状凹凸波形のコルゲート二重管の接合について説明したが、本発明は、外周面が螺旋状でないリングセグメントタイプのリング管についても適用できることはもちろんである。元々、リングセグメントタイプのリング管の場合は、口径サイズが小さい時には、Oリングで対応することにより、なんとかシール処理ができるが、口径が大きくなると、溝(凹)の断面積も大きくなり、Oリングでは寸法的に対応出来難くなる。この場合にも、本発明は適用でき、コルゲート管でスパイラル状となっている場合水の流路が複雑多岐にわたりその止水に困難を来すことに比較すれば、本発明を適用すれば、容易なシール処理が可能である。前記した注入に際しての場合についても言えば、当該リング管の溝は、1周ごとのセグメントタイプであるために、前記注入液の流出防止は、より容易である。すなわち、溝は、連通していないがゆえに、当該連通を考慮した前記のような一周以上にわたる巻き付けシールを行う必要がなく、例えば、片面に粘着剤が塗布されたポリエチレンやポリウレタン等よりなるスポンジの帯状シートを装着すればよい。 【0014】 【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例外周面が螺旋状凹凸波形の高密度ポリエチレン製コルゲ−ト二重管1Aとコルゲ−ト二重管1Bの管端を突き合わせ、図1および図3に示すように、螺旋状の凹部30に両管端から1周余りとなるように発泡ポリエチレン製のヒモ状長尺体14を、それぞれの管1Aおよび1Bに巻き付け、さらに、その端部から螺旋状の凹部30を2周空けて当該発泡ポリエチレン製のヒモ状長尺体14をそれぞれの管1Aおよび1Bに巻き付け、次いで、前記管端の突き合わせ部を中心として、前記発泡ポリエチレン製のヒモ状長尺体14を十分覆うことのできる長さのポリエチレンシート製継手4を外周に巻き付け、その外側両端部と中心部をバンド12で締め上げ、固定した。次いで、前記ポリエチレンシート製継手4の接合部を溶着し、当該ポリエチレンシート製継手4と前記螺旋状の凹部30との間で区画された空隙7個所に注入貫通孔9を空け、当該注入貫通孔9より、ジシクロペンタジエンと触媒および添加剤を含有するAB二液型の発熱反応性充填材8を注入し、重合反応により、接続固定を行った。得られた接続コルゲート二重管壁管の管端部をゴムボールで閉鎖(止水)し、当該管内に注水し、満水後に加圧したが、内圧(ゲージ圧)0.5kg/cm2で、当該接続部に漏水は見られなかった。一方、比較の為に、上記本発明の充填材に代えてエポキシ系樹脂モルタル(市販品)を用いた以外は上記実施例と同様にして当該管の接続を行った。得られた接続コルゲート二重壁管に上記実施例と同様にして注水したところ、既に満水前に接続部において漏水が見られた。 【0015】 【発明の効果】以上本発明によれば、次の如き優れた作用効果を奏し得る。 (1)本発明によれば、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材を、本管と継手とで区画される空隙に注入することにより、液状の当該充填材がこれら本管と継手との接続部の細部に渡り充填され、当該充填材中のジシクロペンタジエンとこれら本管と継手表面のポリエチレンとの間に発熱反応に基づく結合が行われることから、本管と継手との接続が強固に行われるとともに、当該接続部の軸方向スキマ(水路)埋めて、水密性の高いシールをなし得る。 (2)特に、本発明によれば、上記作用効果から、本管の外周面で連通しているスパイラル溝の有効な止水を達成でき、確実な止水を行うことができる。 (3)本発明によれば、ジシクロペンタジエンからなる発熱反応性充填材は、その発熱温度との関係で、緩い結合から強固な結合まで幅をもたせることができ、そのコントロールが容易である。 (4)本発明では、本管も継手も同様のポリエチレン製シートまたはポリエチレン製コルゲ−ト二重壁管を用いることにより、従来の割継手の欠点である接続部の軸方向スキマ(水路)の懸念を除くことができる。 (5)本発明によれば、外装管継手を用いることにより、新規な形状、寸法、工法での継手を作る必要がなく、本管の内径のみを変更した同種管を活用出来るため、新規投資の必要がない。 (6)従来工法と異なり、割ジョイントの締付部ハミ出しがないため、埋戻しの際の土がためを充分行うことができる。 (7)本発明によれば、水漏れのない確実な止水が出来るとともに、管本体の抜けが防止されたコルゲ−ト管の接続シ−ルを実現することができ、下水管への対応が可能なレベルまで引き上げることができ、パイプとしての用途を拡大することができ、高密度ポリエチレンよりなる二重壁管の雨水排水管として、外圧強度にも充分対応でき、その施工方法次第では、前記ヒュ−ム管などの使用限度以上の浅い埋設にも深い埋設にも対応出来る。
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【出願人】 |
【識別番号】000221627 【氏名又は名称】東燃化学株式会社
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【出願日】 |
平成6年(1994)12月27日 |
【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 良博
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【公開番号】 |
特開平8−174678 |
【公開日】 |
平成8年(1996)7月9日 |
【出願番号】 |
特願平6−337071 |
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