最近、電動自転車が評価され始めている。
まずは道路交通法の改正で、路上駐車の取り締まりが厳しくなり、街中の移動手段として見直されている。
さらに、一時期の急な原油高や環境意識の高まりで、ガソリンを使わず二酸化炭素を排出しない、エコで経済的な乗り物として注目されている。そして何より、坂道でも苦にせず走れる。
政府としても、今年12月から原動機による「補助率」の制限を緩和することにしている。発進時などの足の負担を減らし、利便性をさらに高めることで、普及を後押ししようとしている。
業務用での活用についても、可能性が広がっている。
たとえば運送会社では、街中で小口配送用として使うことができないか実験を始めている。新聞配達、さらには、日本でのバイクの頻繁な使用の代表例ともいえる郵便の配達時にも、電動自転車の本格的な使用が検討され始めた。
ただ、その普及にはいろいろな課題がある。
充電する設備、装置をどうするのか。安全、防犯対策をどう講じるのか。加えて、価格、運転性能、デザインなど製品面での改良の余地もある。
自転車の人気がそもそも根強く、市民の環境意識も高い欧州は、電動自転車の先進国とされている。そこでは、スポーツタイプやマウンテンバイクタイプの自転車なども販売され、ユーザーのすそ野の拡大につながっている。
一部の国では、購入者に対して政府から補助金を支給する制度を導入して普及を促している。
日本でも本格普及へ向け、政府と民間企業が一体となった取り組みが求められている。(H)