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【茨城】遺族『納得できない』 筑波医療過誤訴訟判決 医師の責任問われず2008年10月21日
「医師の責任が問われない判決は納得できない。死んだ父への報告は先に延ばします」。筑波メディカルセンター病院(つくば市)の医療過誤をめぐる訴訟。病院側に損害賠償約千三百七十万円の支払いを命じた二十日の水戸地裁土浦支部の判決を受け、会見した患者の長男冨田将史さん(45)はこう口を開くと、声を詰まらせた。 (塙幸雄) 判決は病院側の過失を認定したものの、過失行為があった医師の特定は困難とした。「病院側のミスが認められ、基本的には勝訴」と代理人の弁護士は評価したが、将史さんは「このまま終わらせたくない」と話した。 父の善弘さん=手術当時(62)=は一九九九年に直腸がんの手術を受けた際、腸管に開いた穴が原因で重い後遺症が残った。 善弘さんは退院後に医師三人を刑事告訴したが、水戸地検は不起訴処分に。善弘さんは二〇〇六年十月、同病院前で焼身自殺した。 将史さんは「後遺症に苦しむ父の姿を毎日見てきた私は、父の悔しさを一時も忘れられない」と話した。
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