医師に後発医薬品を薦められた経験が「ない」人の割合が8割超に達していることが、ネットマーケティングを展開するアイシェア(久保邦雄代表取締役)が同社の会員らを対象に実施した意識調査から分かった。後発品を使った経験がない人にその理由を聞いた結果では、「医者に薦められないため」が6割以上を占めた。また、薬の処方自体を受けたことがない人以外で、実際に後発品を使用した経験がある割合は2割強にとどまった。
【「『ジェネリック医薬品に関する意識調査』より」詳細】
調査は、同社の無料メール転送サービスの会員を対象に9月22日から28日にかけて実施。回答者は20-40歳代が中心だった。
それによると、医師から後発品を薦められた経験が「ない」人の割合は全体の83.0%(342人)で、「ある」の8.3%(34人)を圧倒的に上回った。「医者から薬を処方されたことはない」人は8.7%(36人)だった。
また、薬を処方されたことがない人を除く376人に後発品の使用経験を聞いた質問では、76.1%(286人)が「ない」と回答。「ある」と答えたのは23.9%(90人)だった。
後発品の使用経験がない286人にその理由(複数回答)を聞いた質問では、「医者に薦められないため」が65.0%(186人)で最多。以下は、後発品を「知らなかったため」12.9%(37人)、「効能面で不安があるため」5.9%(17人)などの順だった。後発品を知らなかった割合は、20歳代が19.4%で、他の年代より高かった。
一方、後発品の使用経験がある90人に、使った理由(同)を聞いた結果では、「価格が安いため」が全体の52.2%(47人)を占め、これに「医者に処方されたため」42.2%(38人)、「効能に差がないため」23.3%(21人)が続いた。「価格が安いため」を挙げたのは男性の65.1%で、女性の40.4%を上回った。
後発品をめぐっては、国が2012年度までに数量シェアを30%以上にすることを目標に使用促進に取り組んでいる。今年4月からは処方せんの様式が変更され、「変更不可」を示す医師の署名がなければ、薬局の薬剤師が患者の同意を得て後発品に切り替えられるようになった。
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