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【社会】野良猫のえさに殺鼠剤 『鳥襲うから』と観察趣味の男性2008年10月20日 夕刊
東京都大田区の多摩川河川敷で先月、動物愛護団体などが世話する野良猫のえさ容器に殺鼠(さっそ)剤が混入される事件が起きていた。入れたのは、野鳥観察が趣味の男性と判明したが、愛護団体は「弱い動物を狙う卑劣な行為。子供や散歩の犬にも被害が出かねない」と批判し、同じような虐待行為の再発を心配している。 (松村裕子) この愛護団体は、川崎市の「犬猫救済の輪」。六郷橋から下流の大師橋にかけての河川敷には約百匹の猫がすみ、同団体が不妊・去勢手術を受けさせ、会員や河川敷に暮らすホームレスがえさを与えている。 団体によると、えさ容器から殺鼠剤が見つかったのは九月二十一日。十月四日朝、えさ場に現れた台東区の会社員の男性を会員が問い詰めたところ、薬局で買った殺鼠剤を入れたことを認めた。通報で駆け付けた蒲田署員の調べなどに、男性は「野鳥を見によく来るが、猫は鳥を襲うから」と理由を話したという。 一帯の野良猫へのいじめや虐待は今年一月ごろから目立つようになった。えさ容器を投げ捨てるなどのいたずらが相次ぎ、同月下旬には二匹が変死。九月上旬には歩道上にキャットフードと一緒に殺鼠剤がまかれるという“事件”もあった。 同団体はこうした虐待行為を警戒。特に河川敷には、野球場を使う子供や犬の散歩をする人も多く訪れるため、子供や犬に被害が及ばないかと危惧(きぐ)している。 同団体の結昭子代表は「本来、河川敷は猫のすむ所ではないが、捨てられ、河川敷での生活を余儀なくされた猫にこんな仕打ちをしないでほしい」と話している。
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