医療、介護崩壊阻止訴えパレード
社会保障費の拡充と安全で安心な医療、介護の実現を訴える「STOP!医療・介護崩壊、増やせ社会保障費10・19中央集会」が10月19日、東京の日比谷公会堂で開かれ、全国各地の医療関係者らが集まった。この集会は医療崩壊阻止を訴えて毎年開催され、今回で3回目。今回は介護分野まで裾野が広がった。集会終了後、医師や看護師ら約5000人が都内をパレードし、「医師、看護師を大幅に増やせ」「地域医療を守れ」と口々に訴えた。
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集会では、医療、介護現場へ提案する「10・19集会アピール」が読み上げられ、▽医師、看護師の増員▽介護報酬の引き上げ、介護職員の処遇改善と増員▽後期高齢者医療制度の廃止▽患者負担の軽減▽社会保障費総枠の増額、とりわけ国庫負担の拡大―の5つの事項を国に求めた。
集会の冒頭、実行委員会を代表してあいさつした日本医療労働組合連合会の田中千恵子委員長は、昨年5月に亡くなった東京済生会中央病院の看護師、高橋愛依さん(当時24歳)の労災認定に触れ、「これは氷山の一角かもしれない。患者にとっても、利用者にとっても安全な医療、そして介護現場を一緒につくっていきたい」と述べた。
全国各地からの参加者が順に意見を述べる「リレー発言」では、愛知県みなと医療生協労組所属の看護師の福田真弓さんが、現在働いている病院では看護師不足のため病棟を一つ閉鎖している現状を紹介し、「もっと患者に寄り添う時間が欲しい、良い看護がしたいという思いは、新人もベテランも同じだと思う。患者のために、看護師を増やせるよう頑張りたい」と決意を語った。
新潟デイサービスセンター介護主任の今井伸二さんは、介護保険制度が始まってから2回の報酬改定で、介護施設は大幅減収になったと説明。「しわ寄せは人件費に来た。若い職員から次々辞めていき、新たな職員も集まらない」と訴えた。 全日本医学生自治会連合の執行委員長の宇敷萌さんは、「医師不足や経済的事情で、患者が医療を受けられないと聞いている。本当に自分たちがやりたい医療ができるのか、こんなに大変な仕事をやっていけるのかと不安を感じている」と述べた。
青森健生病院の竹内一仁医師は、「先生も体に気を付けて」と診察を待つ患者から逆に言われるほど疲弊した勤務医の現状を説明、「患者の医療費と待ち時間が増える一方、医療者は現場で辛い思いをしている」と訴えた。
集会後、出席した医師や看護師ら約5000人が都内中心部をパレード、「医師、看護師を大幅に増やせ」「後期高齢者医療制度を廃止しろ」などと訴えた。
更新:2008/10/20 11:53 キャリアブレイン
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