チャンドラヤーン1号を載せる国産打ち上げロケットPSLV=インド南部スリハリコタの宇宙センター、小暮写す
チャンドラヤーン1号の発射台=インド南部スリハリコタの宇宙センター、小暮写す
【ニューデリー=小暮哲夫】国際競争が活発化している月の探査に、インドが参入する。22日に初の無人探査機「チャンドラヤーン(月の乗り物)1号」を打ち上げる予定で、成功すれば月探査機としてはロシア(旧ソ連)、米国、日本、欧州宇宙機関(ESA)、中国に次ぐ。背景には、宇宙での資源獲得や衛星打ち上げビジネスの強化、技術の軍事転用など様々な思惑がある。
探査機は、南部スリハリコタにあるインド宇宙研究機関(ISRO)のサティシュダワン宇宙センターから国産ロケットで打ち上げる。11月8日に月上空100キロの軌道に入り、2年にわたり観測。水の探査やウラン、トリウムといった鉱物の分布データなどを集める。
11の観測機器のうち五つが国産で、月面に衝突させて軟着陸に必要な技術などを調べる「月衝突装置(MIP)」が注目の的だ。残る六つの機器は米国航空宇宙局(NASA)やESA、ブルガリアが提供した。
同宇宙センターのプラサド副所長は「多くの資源があるかもしれないし、他の惑星探査への基地にもなりうる」と話し、資源獲得などに向けた国際競争に本格参入する姿勢を明確にした。
月探査は最近ではESAや日本、中国が無人探査機を打ち上げ、来年に米国、12年にはロシアも続く予定。韓国も打ち上げを目指しており、競争は激化の一途だ。「月の資源は人類の共有財産」とする月協定はあるが、批准したのは独自の探査計画がない13カ国に過ぎない。
インドの今年度の宇宙開発予算は407億ルピー(約850億円)。11〜12年にロシアと共同で月に探査車を上陸させ、15年までには有人の宇宙飛行も目指す。月の有人探査や火星探査の構想もある。