ホーム > きょうの時鐘


2008年10月20日

 インゲンに続いて、フライドチキンや菓子パン用の乾燥卵でも汚染問題が出て来た。子どもたちも、おちおち好物を口にはできない

かつて「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉がはやった。人気抜群の球団と横綱、食べ物の名を並べたのだが、世の中にはアンチ巨人もいる。対抗して、「阪神、柏戸、鯛(たい)料理」「西鉄、柏戸、フグ料理」という二番煎(せん)じも生まれた

巨人びいきは卵焼きの好きな子ども趣味、という皮肉が込められたのだが、こちらはあまり流行しなかった。王、長嶋の巨人は抜群に強かったし、ひいきにしたくてもフグや鯛料理は高級である

そのタイが、北陸では今から一番おいしくなる、と教わった。秋の深まりと共に美味を増す「紅葉(もみじ)鯛(だい)」である。春の「桜鯛」が有名だが、あれは巨人の全国区人気のようなもの。関西では阪神、九州ではかつて西鉄が人気を集めたように、北陸ならば紅葉鯛

しきいの高い鯛料理はともかく、海山の幸が出回り、この地に暮らす幸せをかみしめる季節の到来である。後を絶たぬ中国産の食品汚染は、「じわもん」のありがたさを繰り返し教えてくれる。


ホームへ