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悩ましき大麻捜査 “法の抜け穴”利用し自家栽培が急増 (1/2ページ)
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角界をも揺るがせた大麻の所持や栽培の摘発が増えている。インターネットの普及で大麻種子の入手や栽培、収穫の情報が容易に得られるようになったことが主な要因。ネットには種子の販売店の情報も氾濫(はんらん)するが、大麻取締法には観賞用種子の譲渡に罰則がなく、店は“法の抜け穴”を利用して販売しているのが実情だ。捜査当局は「販売店にも厳しく対応していきたい」と話すが、人目に触れない自家栽培が増えるなど、摘発逃れが進んでいる。(道丸摩耶)
■「10粒2万円」
警察庁によると、今年上半期に大麻取締法違反容疑で摘発されたのは過去最多の1686件。特に栽培事案が91件と昨年同期より18件も多く、急増している。
東京から南に約160キロ。伊豆諸島・新島で6月、雑木林に大麻草8本が生えているのを住民が発見し、警視庁に通報した。大麻取締法違反(所持)の現行犯で逮捕されたのは、島に住む会社員の男(30)。男は「2年ほど前、東京都世田谷区の店で種10粒が入った栽培キットを2万円で買った」と供述し、自宅で育てていた大麻が成長したため、雑木林に植え替えたことを認めた。
同法は、栽培許可を得ずに大麻種子を育てる行為を禁じているが、種子自体の所持は違反にならず鳥の餌としても販売されている。このため「『栽培はいけない』と客に伝えて売れば、その種子が育てられても店の刑事責任を問うのは難しい」(捜査幹部)といい、「観賞用」とうたって販売する店が後を絶たないという。
捜査幹部は「10粒2万円は明らかに鳥の餌の価格ではないし、栽培キットとうたって売れば、栽培を認めた印象を与える。悪質な店に対しては、取り締まりも考えなければ」と力を込める。