民主党国会対策委員長の山岡賢次衆院議員(65)=比例北関東=が当時会長を務めていたマルチ商法業界支援の議員連盟が、同商法への注意を呼びかける広報誌を出した三重県内の社会福祉協議会に抗議の意見書を送っていたことがわかった。業界からの抗議を後押しする内容で、山岡議員を筆頭に、連盟事務局長で16日に離党した前田雄吉衆院議員(48)=比例東海=らが名前を連ねていた。
意見書を出したのは「流通ビジネス推進議員連盟」(当時)で、抗議書を出したのは「流通ビジネス推進政治連盟(NPU)」。書類はいずれも07年2月28日付のA4判1枚で、国会内の郵便局から別々の封書で発送された。
両連盟の抗議の対象となったのは06年10月15日に発行された三重県内の自治体にある社協の広報誌の記事で、抗議書は訂正広告や謝罪などを要求。受け入れない場合は「法的に処断する」などと書いている。
意見書はこの抗議書を踏まえ、「(記事が)業界すべてが悪いとの印象を読者に与えかねない」と指摘。末尾に、山岡、前田、同党の牧義夫(50)=愛知4区=の3衆院議員の名前を連記している。
社協によると、政治連盟や議員連盟のメンバーと面識はなく、事務局長は「(活動をやめろという)脅迫だと思った。国会議員からだったのは驚いた」と話す。社協は弁護士に相談するなどしたが、その後の政治団体や議員側からの接触はなかった。「議員の良識を疑う」と憤った。
意見書について、山岡議員の事務所は「当方にはこの文書を出した認識はありません」とコメント。しかし、前田議員は「私が作ったが、山岡さん、牧さんには秘書を介して相談をした記憶がある」という。広報誌を知った経緯については「NPUから紹介された」と述べた。