旧社会党委員長を務めた故浅沼稲次郎氏の追悼集会が10日、東京都内で開かれ、土井たか子元衆院議長や野中広務元自民党幹事長が参加して憲法問題に関するシンポジウムが行われた。事実上の政界引退を表明した土井氏だが、麻生太郎首相が集団的自衛権の解釈見直しに言及したことに触れ「憲法9条を変えて戦争ができるようにするのはとんでもない」と主張し、政界の現状に危機感を示した。
土井氏は「首相が国連総会出席の際『集団的自衛権を解釈で認める』と発言したことが大騒ぎにならないのはおかしい」と批判。野中氏も「自衛隊の専守防衛を明確にする改憲をしてほしいが、今の自民党にそういう流れはない。それなら今の憲法を守る」と述べ、麻生政権に批判的な立場を示した。【田中成之】
毎日新聞 2008年10月11日 東京朝刊