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ロシア極東で日本食料品店が人気 背景に中国産への不信感 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ロシア・CIS
ロシア極東のハバロフスク市で、日本直輸入の食料品店が人気を呼んでいる。背景には中国産の危険な食料への不信感があり、高価でも安全な食料を手に入れたいという意識が働いているようだ。アムール川を隔てて国境を接している極東地方では中国との経済的な結びつきも強まっているが、食の安全や環境汚染問題などで、中国への不満が高まっていた。(ハバロフスク 佐々木正明、写真も)
同市の中央市場にある日本食材専門店は今年4月にオープンした。冷蔵ケースにはしょうゆ、わさび、焼き肉のたれなどが並べられ、カレー粉やのり、野菜ジュースも売られている。値段は日本の3~4倍だ。
店を経営する輸入業者「ミグトレード」のフェデーイェバ・アレクサンドラさん(32)は、「日本の食料品は品質が良いという印象が定着していて、宣伝なしでも客は安心して手に取ってくれる」と話す。
他店では日本の青果も取り扱っており、リンゴは1個500円もするが、高価でも売り切れるという。日本の食料品が人気なのは、街に出回る中国産への警戒心が強いからだ。
今年4月には、同市の卸売市場で、許容量の9倍の農薬が含まれている中国産のリンゴが発見され、5トン以上が処分された。9月には、輸入したモモなどの果物に害虫がつまっていることがわかり、96トンも中国に送り返された。今月に入り、有害物質のメラミンが混入した“粉ミルク騒動”も起きた。発覚が遅れ、過剰摂取した乳児の健康悪化が心配されている。