いまは懐かしいあの「CCCP」の文字とソ連地図。CCCPは「シーシーシーピー」と読むのではなく、「エスエスエスエル」、早く読めば「エセッセッセル」、これをキリール文字(ロシア文字)ではなく、ローマ字で表現するなら「SSSR」。どことなく「USSR」に似ていますね。そうなんです、「CCCP」とは、ソ連社会主義共和国連邦の略称を、ロシアのアルファベットの頭文字で表現していたのです。このCCCPをみたことのない子供たちや、jあるいは20年後には「何だ、COOPを書き間違えているぞ」と言われ兼ねないですね。全国の生協さんも経営が苦しいところが多いため、ひょっとして、20年後にはCOOPもなくなっているかもしれませんが。
遠目でみると、何の変哲もないこの地図、でも、近寄って見て見ると......。
そうなんです、第二次世界大戦でブン捕られてしまった南樺太はまだしも、日本が固有の領土と認める北方四島(南千島)につながって、私たちの住む(当時はまだ、住んではいませんでしたが)北海道までが、ソ連領になっているではありませんか!?。
なにかの政治的意図ありや? 実は、そんなものありません。表にモスクワ大学のエンブレムが印字されているからと言って、大学が公認したTシャツ業者ではないし、旧ソ連は地表の6分の1を占めるでかさ故ゆえ、どこまでが日本領、どこまでがソ連領か分かる人は皆無に近い。この北海道だって、南千島の延長で書いてしまったのでしょう。たぶん。
このTシャツを買った頃はまだ、91年の冬で終わりかけていたと言っても、まだソ連時代でした。やっと、新聞で北方領土の日ソ交渉のことが報じられるようになったばかりでした。友人の複数のロシア人に「北方領土ってどこなんだ」と聞かれ、その位置を教えてあげると、「何だ、そんなちっぽけの島々なんだ。ソ連はでっかいんだから、そんなのさっさと日本に返せばいいのに」と言うのが、一般的な返事でした。
ロシアに変わっても、ロシア人の認識は変わっておらず、返還されないのは、ロシアの内政事情や国益重視の視点、日本の弱腰などのためでしょう。あと、沖縄返還の時と違って、日米関係が成熟した段階で沖縄が返還され、返還時には日米とも勝った負けたという認識がなかったのに対し、いまロシアが日本に北方四島を返還すると、日本の一人勝ちになる、お金欲しさのために大統領らは血であがなった土地を売った、などとロシア国民に思われるのを心配しているみたいです。ロシアの言う、まず日露の友好ムードを作るのが先決と言うのも、分からないではありません。日米や日中関係が友好的なのに対して、まだ日露関係は人的交流など少ないですからね。いずれにしても、この問題は難しいですね。