発達障害や身体に障害のある子どもたちの機能訓練をする「療育センター」(岩国市室の木町)の利用者が急増している。本年度の利用状況は、昨年度の3倍を超えるペース。市は来年度以降の施設拡充、人員補充に向けて検討を始めた。
この施設は市が昨年7月12日、市医療センター医師会病院の一角に開設。子どもたちは、66平方メートルの倉庫を改装した小児訓練室を利用し、スタッフの指導でトランポリンや滑り台といった器具を使ってバランス感覚や協調性などを養っている。訓練は週6日で1日7時間程度。1人に約1時間要する。スタッフは作業療法士3人のほか、兼任の理学療法士や言語聴覚士も加わる。医師による療育相談もあり、子どもの発育や発達の相談に応じている。
利用者は、昨年度が8カ月余りで延べ93人だったが、本年度は6月末までの3カ月間ですでに115人。当初は1人ずつ受け入れる予定だったが、最近は一度に2人を受け入れることもあり、器具が並ぶ訓練室は過密状態に。市内に同様の施設はなく、発達障害については行政サイドの実態把握も遅れていた。
市は来年度からの新たな障害者計画の中で、施設の増設や人員補充を重点施策に位置付ける予定。
【写真説明】トランポリンなどの器具を使って機能訓練ができる療育センター。利用者増で手狭になってきた
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