サイエンス

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

インド代理出産:親権者なしで女児出国許可 特例、日本渡航へ

 【ニューデリー栗田慎一】日本人男性医師が第三者から卵子の提供を受けてインド人女性に代理出産を依頼し、7月に女児が誕生した問題で、インド政府は17日、女児に対し、親権者が不在でも出国を認める「渡航許可証」を発行した。許可証は同日中にインド国内で女児の世話をしている男性医師の母親に手渡された。ニューデリーの日本大使館は女児側の請求を待って査証を発給する方針で、女児の日本渡航が確実となった。

 インド外務省によると、代理出産に関する法律が未整備であるため、政府の特例的な解釈が可能となった。親権者がいないため通常の旅券の発行は見送られたが、許可証に男性の母親を「保護者」と明記することで出国を可能にした。インド政府幹部は「人道面を最優先に考えた」と理由を述べた。

 女児側は近く、ニューデリーの日本大使館に査証を申請する。

 女児は7月下旬、西部グジャラート州の病院で誕生。男性医師は離婚し独身になったため、インドの法律によって親権を失った。代理母も親権を放棄したため、女児は「孤児」の状態になり、インド政府から旅券を取得できなくなった。

毎日新聞 2008年10月18日 東京朝刊

検索:

サイエンス アーカイブ一覧

 

特集企画

おすすめ情報