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大山賞

 大山康晴賞の贈呈式は9月8日です。この日は日本将棋連盟の創立記念日。普及に功績のあった個人、団体を厳選して選考委員会で決定します。
 プロは受賞出来ない賞です。今年は団体は倉敷市文化振興財団と日本アマチュア将棋連盟。個人は渋谷守生先生と島田良夫元アナウンサー。
渋谷「こんな賞をいただいて光栄です。国民栄誉賞以上のものです」
 渋谷先生は元都議会議長であり、日本アマチュア将棋連盟と東京アマチュア将棋連盟の両方の会長でもあります。今回の選考は、アマチュアとプロ棋界との共存共栄を主としております。日本アマチュア将棋連盟の西村理事長にも喜んでいただきました。
 驚いたのは当日LPSAの女性がどっと来られたこと。本来は招待客と関係者以外は将棋会館の中には入れないのですが、普段お世話になっている東京アマチュア将棋連盟の会長のお祝いに駆けつけたのでしょうから、特別に入ってもらいました。
 倉敷市文化振興財団は、タイトル保持者の清水市代倉敷藤花が祝辞。私も彼女の大ファンです。やっぱり花は美しいです。

これからの将棋界(一)

 私が会長になって3年半です。来年の5月の総会まで任期は半年。人氣も半年なら会長再選は無理なんですがどうなんでしょうか。
 私は自分が率先してやってきたことは出来るだけオープンにしました。その是非についての議論も又楽しいものです。
 良かったものは何か。自慢するというのではないのですが、実績は示しておく必要がある。表面化しないもの、公表出来ないものや公表しない方が良いものもある。その方がはるかに多い感じです。悪かったものについては、自ら反省するものと、論じたうえで自分の非を認めるものとがあります。

 米長路線は3年余の改革で多くの成果をあげたと自負していますが、片方では憎まれ役、嫌われ役にも徹しました。多くの敵を作ったことでしょう。
 これからは公益法人改革。タイトル戦の契約、ネット関連と難しい課題が多いです。
 私の一番の関心事。それは後継者です。米長路線を引く継ぎ、良かったものは正しく評価し、悪かったもの、直してゆくべきものは多くの議論を経て修正してゆく。そんな人で会長を引き受けてくれる人を探しています。
 いずれにせよ、これからの理事は政策が一番大事なことです。路線を継承して若返りを図るのであれば交代が是と思っています。路線が全く違っていたり、現理事会の非を咎めてであれば、当然ディスカッションの場を数多く開き戦う。
 大きなポイントはいくつかあります。
@名人戦共催は、なぜ起きたか。それはどう評価するのか。
A公益法人改革は極めて重要です。現執行部に代わって「俺達がやる」という人がいるのかどうか。
Bネット事業、コンピュータソフトVSプロ棋士の戦略等々はどう進めていくのか。
C普及、特に学校関係は今までのやってきたことは評価しますか。それともノーですか。これからどうしますか。
D女流棋士会。個人の幸せを考えつつ、公益法人改革に連動した組織作りをする。これは今年4月の施策に書いてあります。

竜王戦第一局・パリ

 竜王戦は大変なことになりました。渡辺明竜王は4期保持していて、今度の防衛戦で守り切れば「5期連続」で初代永世竜王になるのですね。
 ところが挑戦者には羽生善治が名乗りをあげた。これまでに竜王位は6期獲得していて、「通算七期」は永世竜王になる。
 史上初の「永世竜王」をかけての七番勝負です。主催紙の読売新聞社の力の入れようは尋常ではない。第一局は10月18、19日パリで行われます。この第一局だけでも4000万円以上はかかるという話です。
 社長からの第一希望でしたので、会長の私が同行します。和服着用の者は次の通りです。
両対局者、米長、佐藤康光棋王、記録・中村太地四段。若い中村は師匠の私の生前形見分けの和服です。

 パリ・コレ。パリのファッションショーで対局日前夜はパリのホテルが一年中で一番混み、値段も高い時です。10月15日まではミラノで開催していたのが移動するらしい。日本の和装。モデルのアルバイトがあればなぁ。
 対局者や私は10月15日に出発して10月21日帰国です。観戦ツアーもあります。詳細は「まじめな私」をお読み下さい。

女流棋界

 今週は羽生王座が木村一基八段を退けて、なんと17連覇という大記録を打ち立てました。その前日には里見香奈君が倉敷藤花の初挑戦を決めた。
 当然前者の方がビッグニュースであり、後者はこれからの活躍に期待するところです。しかしマスコミの扱いはファン主体ですから、全く逆なのに驚きます。多くの新聞社が女流の高校生の挑戦権獲得の記事を大きく取り扱いました。翌日の17連覇は申し訳程度です。してみると将棋ファンの注目は羽生の防衛や回数、連覇記録等よりも、女子高校生の挑戦の方に集まっているのですな。
 久々に10代のタイトルホルダーが出るか。それとも倉敷を第二の故郷と言っている清水市代が勝つか。その第一局は11月に入ってからです。

 清水市代の季節になったようです。女流王位の挑戦権を得て、10月10日から五番勝負が始まります。第一局は姫路市のイーグレひめじです。私は前日所用あり、大阪、神戸へと出張しますが、この対局にまで足を進めるかどうかは未定。
 当初の予定では佐用(智頭急行または姫新線)にある県指定天然記念物の大イチョウを見に行くつもりでした。イチョウだけ見て市代を見ないのは会長の立場上まずいのかなぁ。
 桜や銀杏、楠等、日本中の名木は機会あるごとに見るようにしているのです。

将棋のイベント

10月15日からパリへ行ってきます。
私と生で会う機会と、ネット上でお会い出来るスケジュールを羅列しました。

10月13日(月)
甲府にて羽生名人の山梨県名人との対局解説。
日記(10月11日)をお読み下さい。

竜王戦第一局
パリで行われます。
下記のURLでライブ中継をお楽しみ下さい。
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/

10月25日(土)
愛知県春日井市「将棋フェスティバル」
私は会長の挨拶のみですが、室田女流他棋士多数出演です。

11月2日(日)午後1時〜4時
「親子ふれあい将棋教室」
場所:東京都庁第一本庁舎 5階 大会議場ほか
当日、私はご挨拶のみです。

11月2日、3日は倉敷でも楽しいイベントがあります。