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３ 被告清水の業務慨怠及び不透明な支払指示
⑴原告会社代表者である鈴木が営業、折衝等の対外的な仕事が多かったことから、同社の特別顧問となった被告清水は､原告会社内部での実権を掌握し、同社における外部業務委託費用の支払などの支出につき自らの判断で処理するようになった。また、鈴木に対して事前に請求がなされた場合も、振込日の当日や前日など直前に請求してくることが大半であった。
しかしながら、被告清水は管理、経理部門を任されていながら、特別顧問に就任した後も、契約管理や会計処理に必要な契約書や納品書等の書類を一切作成しておらず、また、支払についても、鈴木が被告清水に対し、再三にわたり支払内容を明確にし、開発物についての権利関係や納品の確認等を行うよう依頼していたにも関わらず、これを全く実行しなかったのである。
むしろ、被告清水は、契約関係を不明確なものとし、そもそも利益相反関係にある被告会社や訴外ケーテックの利益を図る目的で業務を行っていたのである。
本来、被告清水は、その特別顧問として原告会社の利益となるべく業務を行う必要があるのにも関わらず、その義務に反する背信的行為を行っていたのである。
特に支払については、支払内容を明砿にしないまま、支払が即時に実行されない場合にはあたかも開発業務が滞り、原告会社が重大な影響を受けるかのように示唆して行われ、後から明細を報告するとして結局今日までなされていない。
⑵告清水からの指示は、主に電子メールで簡単な項目を挙げ、支払実行日の直前に要請されるものであり、税務申告の直前に、この金額に合わせた請求書が被告会社によって作成され、会計処理が行われている。
このように、被告清水によって支払が指示され、原告会社が被告会社に対して支払った金額は、平成１７年１０月から平成１９年３月３０日に至るまでで、１億３３８３万８３２７円にも及んでいる。
特に、平成１７年１１月ころになり、原告会社が大手ゲームメーカーである訴外コナミ株式会社との間で、同社がインターネットを通じて配信するゲームソフトのエミュレーション（あるゲーム機やパーソナル．コンピュータ等向けに製作されたゲームソフトウェアを、規格やＯＳを異にする他のゲーム機やパーソナル・コンピュータ等で使用できるように、ソフトウエアを変換させる作業をいう。）及び当該ゲームソフトの保守管理、ならびに当該ゲームソフトのエミュレータ（上記エミュレーションを行うソフトウエアをいう。）の製作を受託する契約を締結することになり、これら契約によって原告会社が受託代金の支払を受けることがほぼ決定すると、被告清水の態度に変化が生じた。
(3)すなわち、被告清水は、平成１７年１１月２７日、鈴木に対し、「２００５１１月の消算について清水案取扱注意」と題するメールを送信し、過去に被告清水らが原告会社の業務のために支出したとする費用を訴外コナミ株式会社から支払われる上記委託料で精算することし、訴外ケーテックとの取引を明碗に分離するためなどと称して、別紙請求支払一覧表「送信日付欄」記載�，里箸�り、３６０万５０００円の支払を請求した（甲４号証の１）。
鈴木は、被告清水は原告の特別顧問としての地位に基づき、対外的な契約関係を適切に処理していると信じていたため、とりあえず被告滴水の指示に従おうとしたが、原告会社が訴外横居の配偶者から借入れをしていたなどとそれまでに聞いたことはなく、また､訴外横居の個人事業である訴外ケーテックヘの支払は、同人が原告会社の取締役である関係で、利益相反関係ともなるほか、そもそも原告会社の委託先に対する支払が被告清水の経営する被告会社を経由するなど、あまりに意味が判らない請求が含まれていたため、折り返しメールを返信し、その意図を問い質した。
これに対し、被告清水は、鈴木に対し十分な説明をすることなく、ただ、ソフトの制作費の名目で支払うのは問題である、当月から外部の資金が入るためその前に過去の問題を処理しないと不味い、などとして、原告会社の事業を進める上で必要であるとして至急支払うよう催促したため、原告会社としては、被告清水の言うことをひとまず信じることとし、被告洞水の請求額を被告会社に支払った(甲４号証の２)。
(4)前記�，慮紊癲�被告清水は、別紙謂求支払一覧表に示すとおり、十数回にわたり、原告会社に対して、原告会社における業務委託費などの名目で支払を請求し（甲４号証の３以降）、また、同一覧表に示すとおり、原告会社は、５７回に分け、被告清水の指定する被告会社名義の口座に支払ったものである（甲５号証）。
�∧神�１７年１２月１２日コンサルティング料１，２２３，２５０円及びその他の立替金２８６，５２７円上記のコンサルティング料については、訴外コナミ株式会社から受託するゲームの開発に関して外部のコンサルタントからアドバイスを受けるとしつつ、原告会社ではなく被告会社が当該コンサルタントと直接契約することとして、被告清水から原告会社に対し請求されたものである。
�Ｊ神�１８年３月２４日立替金及び精算１９，２９３，０００円
�な神�１８年４月２７日経費及び立替金９，０００，０００円
�ナ神�１８年７月下旬経費及び立替金４，３００，０００円
なお、上記請求の日付が不明確であるのは、被告清水が鈴木に対し手書のメモを渡し、支払を指示したためである。
�κ神�１８年８月２８日経費及び立替分７，０００，０００円
なお、立替費については、被告清水が計上した交通関係費も概算で入れたとしていたが、交通費や交際費・会議費について、原告会社の「顧問」としてどのような活動を行っていたのかの詳細について、顧問契約期間中、被告清水から報告はなされていなかった。また、訴外横居が運営する訴外ケーテックに支払う開発費用について、原告会社が事業を進めていた「１ｃｈｉｐＭＳＸ」が成功したら払うこととし、原告会社に「法的リスクがないように」としていた。
��平成１８年１０月７日経費及び立替金６，２５０，０００円
この点、上記経費の中には、「車検及び修理」として４２０，０００円、「車保険」として７５，０００円が含まれていたが、これら費用が原告会社の顧問としての業務とどのような関係を有するか不明であった。なお、上記請求について、原告会社は、既に同年９月２０日付の請求に基づき、同月２７日に５，２００，０００円を支払い、また､その翌日に追加として２５０，０００円を支払っていたが、被告潤水が決済に使用していたとするカード会社の資金が足りないので、分析したところ不足が生じたとして、８００，０００円の支払を追加請求したものである。
�Ｊ神�１８年１０月２７日経費及び立替金６，２００，０００円
��平成１８年１１月２２日経費及び立替金６，０００，０００円
��平成１８年１２月２６日経費及び立替金８，０００，０００円
��平成１９年１月２５日経費及び立替金７，７７０，０００円
なお、上記金額には、被告清水の一存でこれまでの請求額から切り捨てられていた分の精算として、３４６，０００円が含まれている。
��平成１９年２月２６日経費５，８０７，５５０円
後述するとおり、この時点で既に被告消水との顧問契約が解除されていたため、当月の請求には、これまで仮精算と称して行われていた交通費や交際費等の請求が含まれていない。
(5)このように、原告会社においてなされる支出は、訴外横居を除く取締役報酬、正社員への給与、原告会社社屋の賃料や光熱費等を除いたその殆どの項目について、被告清水の経営する被告会社を通じてなされたこととなっていた。
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