色んな理由があろうかと思いますが、ひとつは中国の格差問題(かくさもんだい)です。
格差(かくさ)というのは日本でもさわがれていますが、お金持ちとそうでない人との差(さ)のことです。
中国はむかしは貧(まず)しい国でした。しかし最近では経済的(けいざいてき)に豊かな国になりつつあります。
しかし、ほんとうに豊かになったのは都市にすむ人たちだけで、地方の農村では、まだまだまずしい人が多いのです。
そのまずしさから強い農薬をつかったり、つかってはいけない薬品などをまぜて売る人がいるわけです。
(たくさん収穫(しゅうかく)するためです)
最近ではメラニンという物質が牛乳にまぜられて売られ、中国では死者もでました。
なぜメラニンをまぜたのでしょう。
中国では最近物の値段(ねだん)が上がるようになったために、国民の間で不満(ふまん)がでるようになりました。
中国は日本とちがって国が大きな力をもっています。その力をつかって物価統制(ぶっかとうせい)という仕組みで、物の値段(ねだん)を上げないことを決めました。(日本ではほんの一部の物をのぞいて、国が物の値段(ねだん)を決める事はできません)
牛乳を加工する会社は、このままではもうからないので酪農家(らくのうか)(牛をかっている人たち)に、牛乳を安くするように言いました。
酪農家(らくのうか)の人たちはイヤだと言うと、牛乳を買ってもらえないのでしかたなく牛乳を安くしました。
もともとまずしい酪農家(らくのうか)の人たちは、このままでは暮らしていけません。
そこで一部の酪農家(らくのうか)たちは牛乳を水でうすめることを考えたんですね。(牛乳の量がふえますから)
しかし、そのままではカンタンにばれてしまいます。
それで考えたのが、水でうすめた牛乳にメラニンという物質をまぜることです。
メラニンという物質をまぜると、水でうすめたのがばれにくくなるのです。
こうしてメラニン入りの牛乳、その牛乳からつくられた赤ちゃん用のミルク、チーズなどの乳製品(にゅうせいひん)が出回ったわけです。
この問題の根本(こんぽん)は農村のまずしさにありますが、同じくらい問題なのは農民たちの作物の安全性への理解不足(りかいぶそく)です。
自分たちの作っているものが、人の健康(けんこう)にとってどれだけ大切なものか理解していないのです。
実はかつての日本も同じようでした。
人の口に入るもの、という意識(いしき)がうすく、より効率的(こうりつてき)な農業をするために強い農薬もつかっていました。
しかし、だんだんと意識(いしき)が変わり、食料は何よりもまず安全であることが大切!という風になり、いまでは無農薬(むのうやく)の作物も多く作られています。
中国ではまだその段階(だんかい)になっていないということです。
しかし、最近の汚染米(おせんまい)や賞味期限(しょうみきげん)の偽造事件(ぎぞうじけん)などをみると、日本もあまり胸をはれたものではありません。
中国の農民たちはまずしさゆえに、生きるために不正をはたらいていますが、日本の一部の食品会社はもうけのために不正をはたらいているのです。
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