■同人誌即売会連絡会勉強会のご報告と当イベントの方針■
6月7日に行われました全国同人誌即売会連絡会 勉強会に参加して参りました。この度はそのご報告と、当イベントの18禁取扱方法についてお知らせしたいと思います。
・パネリスト 永山薫様(批評家/マンガ論争勃発編集者) 山口貴士様(弁護士) 兼光ダニエル真様(翻訳家/NGO-AMI代表) 坂田文彦様(連絡会発起人/ガタケット代表)
上記のパネリストのお話を中心に、質疑応答など計5時間近く勉強会が行われました。
主な議題となったことは「児童ポルノ法」「同人誌において18禁の表記を今後どうすべきか」についてですが、この議題について色々と不透明だった部分について、参加されるサークル様にご提案出来ればと思います。
▲刑法175条について ワイセツ物について 「わいせつ」については「いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」を言います。 「思想性」「芸術性」が認められる場合には「モザイク」「消し」が入ってる場合、「性欲の刺激の程度」が弱くなるために、刑法175条の適用対象外になると考えられるようです。 175条と、暴力描写、残虐描写などは一切関係有りません。
・「ワイセツ図画」と「成年向け表現物」の違い 「ワイセツ図画」→相手が誰であっても(大人、青少年以外の未成年、青少年)販売、頒布することは許されませんし、「ワイセツ図画」に成年マークをつけたとしても販売を許されることはありません、また処罰を免れることもありません。(二年以下の懲役、又は250万円以下の罰金)175条に基準は一切記載されておりませんが、露骨な性器描写(モザイク、消し無し)は避けるべきだと考えております。「ジョミーにくびったけ!!」において、わいせつ物の販売、所持、持ち込みは如何なる場合も厳禁とさせて頂きます
・「成年向け表現物」→18歳以上(高校生は省く)に販売することは自由。 「成年マーク」は地方自治体の定める"青少年健全育成条例"に対応しての「自主規制」として使われているものです。(同人誌即売会の場合発行者のサークル様がこれに当たります。)条例の基準に従い、「有害」「不健全」な表現物を指定しています。 「不健全」と指定された表現物を青少年(18歳未満)に販売することは禁止されていますし、区分陳列(ゾーニングなど)や、包装(成年マーク表記の本は全て包装し、見本も下げる等。見本は見たい人にのみ差し出す形)するなどの義務が課せられ、これらに違反すると刑事罰を課せられることになります。処罰の対象は【販売、頒布した者】になり、作家、製作者が罪に問われることはありません。作家、製作者が販売頒布した場合は処罰対象になります。(同人誌即売会などで、作家ではなく売り子が販売頒布した場合はその処罰対象が売り子となります)
▲児童ポルノ法について 児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 この法律において「児童」とは十八歳に満たない者言います。
「児童ポルノ法」は実在する18歳未満の児童(男女問わず)を対象としたものであり、架空のキャラクターによるマンガ、アニメ、ゲーム、小説等は、現状では「児ポ法」の規制対象になっておりません。このため、これらのメディアにおける18歳未満の架空キャラクターを用いたエロティシズム、バイオレンス表現は罪を問われることはありません。(モデルが実在する児童の場合は児ポ法により規制されます)
▲東京都青少年の健全な育成に関する条例 当イベントが開催される会場は東京文具共和会館となり、当たり前ですが東京都内ですので、東京の条例と照らし合わせていきたいと思います。
・第9条 1・青少年に対し性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められる内容の図書類に、青少年が閲覧し、観覧することが適当でない旨の表示を刷る様に努めなければいけない。 2・表示図書を青少年に販売、頒布、又は貸し付けないように努めなければならない。 3・表示図書類について青少年が閲覧できない様包装する様に努めなければならない。 4営業の場所の用意に監視することの出来る場所に置く様に努めなければならない。(同人誌即売会は対面販売となるのでこれに当て嵌まる)
今現在、同人誌が有害図書に指定された事例はないそうですが、児ポ法の改定が進んでおります。上記に記述した内容は2008年6月現在のものですので、今後変わってくる場合もあり、現段階で処罰対象外だったことが、処罰対象になる場合もあると言うことをご留意願います。
▲広告物について POP、ポスターなどにおきましても未成年が来場する可能性も視野に入れまして、当日勧告させていただく場合もありますのでご了承下さい。
先ほども述べさせて頂きましたとおり、架空のキャラクターによる18歳未満のエロティシズム表現は児ポ法対象外となりますので 【ブルー×14歳ジョミー】の成年向け同人誌は発行可能とさせて頂きます。(ブルーに限らずその他のキャラクターでも同様) また、登場人物の設定が18歳以上で有るにも関わらず《絵柄》によっては18歳未満にも見受け取れる表現ですが、これも上記同様発行可能です。
・サークル様へのお願い 成年向けと判断される販売物に関しましては性器部分の修正、表紙の成年向け表記等の「自主規制」をお願い致します。 モザイクの程度に関しましては定かではありませんし、それに関しての基準も曖昧ではありますが、白抜き、又は黒抜きで対処して頂きたく思います。薄い網掛け等は当日のスタッフ巡回の際に再度修正をお願いする場合も御座います。
この解釈は2008年6月における即売会勉強会を踏まえ、「ジョミーにくびったけ!!」主催が独自で解釈したものです。社会的、又は他の同人誌即売会において正しく通ずるものでは無いことをご理解頂ければと思います。如かしながら、当イベントではこの方針でイベント運営を行って参ります。
・最後に この勉強会には沢山の大手イベント企業様、印刷所様が参加されておりましたが、どの企業様も「児童ポルノ法」や「刑法175条」に大して何かしらの疑問を持っており、その児ポ法の曖昧さや基準境界線の不透明さには頭を抱えている様子でした。同人誌即売会のやりにくい世の中になっても「どうして、何のために行うのか、またどれほどの意思を持って取り組んでいくのか」というコミックマーケット準備会さんの意思の強さには感銘を受け、会場も拍手喝采で御座いました。本当に素晴らしい機会を頂いたなという想いです。
勉強会にて紹介されていたサイトをこちらでも記載させて頂こうと思います。ご参考までに足を運んで頂けたらと思います。
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パネリストで参加されていた山口貴士弁護士のブログ http://yama-ben.cocolog-nifty.com/
同人誌即売会を多様に紹介 http://blog.livedoor.jp/increment/
同人誌即売会連絡会(勉強会の主宰様、お世話になりました) http://sokubaikairenrakukai.com/ ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
△追記
東京文具共和会館様に確認を取らせていただきまして、当方で検討しました結果、当イベントのゾーニングによる隔離配置はございません。 成年向け同人誌の販売方法ですが、「包装して陳列」する事は強制いたしませんが、18歳未満の方へ成年向け同人誌の「見本誌を観覧」させる「販売する」事は厳禁です。18歳未満なのか、以上なのか判断が付かない場合は身分証のご呈示をサークル様側からお願いする様、ご協力をお願い致します。
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2008/6/8(Sun) ...No.15
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