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沿海州中部まで渤海の勢力下だった

大規模遺跡発掘で立証

 韓半島(朝鮮半島)北部からロシアの沿海地方にかけ、かつて存在した国、渤海の遺跡とみられる大規模遺跡がロシア沿海州で発掘された。王城の規模に匹敵するこの遺跡は、渤海の北東側領域が北緯45-46度の沿海州中部にまで達していたことや、渤海が高句麗の伝統を色濃く継承していたことを改めて立証するものとして注目される。

 韓国文化財庁国立文化財研究所は9月3日から10月2日まで、ロシア科学院極東支部歴史学・考古学・民俗学研究所と共同で沿海州ハンカ湖(中国名・興凱湖)東側にある渤海時代の「コクシャロフカ第1遺跡」の城塞で発掘調査を行い、その結果を16日に発表した。同研究所によると、発掘地域では渤海の典型的なオンドル(床暖房)施設を備えた大規模な建物跡や多数の遺物が発掘されたという。

 ウスリー川上流に位置するコクシャロフカ第1遺跡の城壁は長さ1645メートル、面積は16万平方メートルで、城壁の高さは最高6メートル、幅が10-14メートルに達し、保存状態が良い遺跡だ。これまで誰が建設した城か不明だったが、今回の発掘で渤海の行政区域の5京、15府、62州のうち、懐遠府か安辺府の官庁があったとの推定が可能になった。同研究所は「この城は渤海の境界線を沿海州南部に引こうとする一部のロシア学者の主張に反論できる決定的な証拠だ」と説明した。

 同研究所はまた、▲火のたき口が直角に建物の中に延びる大規模なオンドル遺跡▲形態や製法に高句麗の特徴が濃い「帯状把手(とって)壺」「内彎口縁壺」-など渤海が高句麗の伝統を受け継いだことを示す遺跡や遺物も出土したと発表した。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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