独協医大越谷病院(埼玉県越谷市)で02年10月、市内の会社役員の男性(当時67歳)が心臓バイパスの手術中に大量出血して死亡し、遺族が医大を運営する独協学園(同草加市)に慰謝料など約8000万円の損害賠償を求めた訴訟は16日、さいたま地裁(佐藤公美裁判長)で和解が成立した。学園側が遺族に3600万円を支払う。
訴状などによると男性は、冠動脈バイパスの手術中、心臓の左心房の一部に傷を付けられた。縫合後に人工心肺装置で血液の体外循環を行ったところ、大動脈が裂け、約11時間後に死亡した。約4カ月後に内部告発で医療事故が発覚した。
埼玉県警は07年9月、手術を担当した教授と主治医(当時)を業務上過失致死容疑で書類送検したが、さいたま地検は嫌疑不十分で不起訴としていた。
病院は「和解内容が代理人から届いておらず、まだコメントできない」としている。【浅野翔太郎】
毎日新聞 2008年10月17日 東京朝刊