三井物産は16日、中国から輸入した粉末状の乾燥卵から化学物質「メラミン」が最大4・6ppm検出されたと発表した。納入先の卵加工会社から製パン会社が購入し、菓子パンの材料に使用。消費者に販売された。ニワトリのエサにメラミンが混入したことが原因とみられる。エサを食べたニワトリの卵からのメラミン検出は初めて。
三井物産によると、今年9月に約20トンの乾燥卵を輸入し、卵加工会社のキユーピータマゴ(東京都調布市)に納入。うち400キロを製パン会社に販売し、10月上旬、菓子パンの材料に使われた。菓子パンの大半はスーパーなどで販売されたとみられる。菓子パン4種類を検査したところメラミンは検出されなかったという。残る19・6トンは三井物産が回収し、返品または廃棄する。
鶏卵を乾かして粉状に加工した乾燥卵は、パンや菓子、ホットケーキ粉などの原材料に使われる。07年度に3368トンが輸入され、このうち約8%に当たる約265トンが中国製。
三井物産は「メラミン問題は認識していたが、エサへの混入までは想定しておらず、リスク管理が甘かった」と釈明している。【森禎行】
毎日新聞 2008年10月17日 東京朝刊