2009年度、医師臨床研修を希望する医学生と研修病院の組み合わせを決める「医師臨床研修マッチング」の最終結果が16日、公表された。県内13の研修指定病院が計114人を募集したのに対し、59人が決まった。昨年に比べて3人減少し、募集人員を充足させたのは1病院だけ。各病院が依然としてマッチ数を増加基調に乗せることができない状況にあり、医師不足解消や医師の県内定着に向け、さらなる魅力づくりが求められていることが浮き彫りとなった。
県内の最多は弘前大学医学部付属病院の15人で、昨年より4人増となった。昨年最多だった八戸市立市民病院は4人減の10人にとどまった。
その他の津軽地方の各病院を見ると、県立中央病院は昨年より3人減の7人。健生病院は5人、黒石病院は2人をそれぞれ確保し、昨年と同数。昨年希望者がいなかった弘前市立病院は、1人を確保した。青森市民病院は4人が希望した。
国立病院機構弘前病院は、4年連続でマッチ数ゼロ。厚生労働省の省令改正で、08年度から2年連続で研修医の受け入れがない場合、指定取り消しの可能性もあり、苦しい状況に置かれた。今年9月に研修指定病院に指定された西北中央病院は、1人を確保した。
募集人員を充足させたのは十和田市立中央病院(4人)だけ。
59人のうち、弘前大学の学生は35人。また、出身別でみると、県内出身者は24人だった。
マッチングへの主な参加者となった03年度医学部入学者のうち、県内出身者が44人と近年でも最少レベルの人数だったこともあり、県医療薬務課は「微減にとどめたともいえ、健闘したのではないか」と語った。
しかし、第一希望者数を示す中間報告(9月)が49人と昨年に比べ12人も減少したことを改めて指摘、「研修プログラムや指導医の充実がまだまだ必要ということ。マッチ数が年ごとに一進一退を繰り返す状況から脱し、毎年少しずつでも増える状況にしなければ医師不足解消にはつながらない」と語った。