2008.10.15 Wednesday
強制執行される『こうちゃんのはたけ』――まるで死刑執行のように
10月16日(木)の朝7時に、紙芝居『こうちゃんのはたけ』(注)の畑が、行政代執行されます。
強制執行です。北巣本保育園の子どもたちが育ててきたサツマイモ、ピーナッツ、ナス、ピーマンは刈りとられます。何百年もの間、ひとびとを見守ってきたお地蔵さんも撤去されます。エノキの大木(ご神木)も、伐採されます。 それぞれが死刑執行のように、殺されるのです。 大阪地裁は10月1日に、同地への強制執行停止の申し立てを却下しました。大阪高裁に松本剛一さんが即時抗告し、同高裁が「10月30日に決定を下す」と言っています。しかも、事業認定の取り消し、収用裁決の取り消しを求める訴訟が同地裁で審理中です。 それにもかかわらず、なぜ強制執行を大阪府(橋下徹知事)は急いで行うのでしょうか。 私には理解できません。そして、残念でなりません。 たとえ意見・主張が違っていても、同じ土俵の上に立ち、回しをとりあって、言論戦を展開する気風が日本社会はもっともっとあってもよいと思います。とくに権力者にその気風がほしいものです。 権力者のパワーの源泉は、言うまでもなく、民意です。しかも、民衆の多数派によって権力は形成されます。 いったん権力を取った多数派は、保持しているパワーの大きさゆえに、少数派や異端者、反対者の主張にギリギリまでもっともっと譲歩できるはずです。権力を乱用してはならんのであります。それが治者の責任というものであり、器量というものです。なぜ問答無用の強制執行なのか、私にはわかりかねます。 10月16日(木)は、朝7時に現場に駆けつけて、執行の具体的なありようを、しかと見届けようと私は思います。 (注)「ここでずっと生きていたい――紙芝居『こうちゃんのはたけ』の誕生」(連載コラム121回、2007年10月25日)、ほっとニュース「最後まで失ってならないもの」(2008年1月24日)をごらんくださいね。 |