埼玉県は16日、県内のイトーヨーカドーと、系列のヨークマートで購入した中国製冷凍食品「いんげん」を食べた16人が、嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴えたと発表した。いずれも殺虫剤のジクロルボス中毒に特有のしびれ症状の訴えはなく、回復しているという。
【写真で見る】 殺虫剤が検出されたものと同じ中国製冷凍インゲン
このうち、さいたま市の5人が食べた商品は、製造工程を示すロット番号が、東京都八王子市の主婦が食べて健康被害を訴えたジクロルボス混入の商品と同一だった。県やさいたま市保健所は残りを回収して成分を分析する。
茨城県でも、日立市のイトーヨーカドーで買った同じロット番号の商品を15日に食べた高萩市の女性が、日立保健所に舌のしびれと胃痛を訴えたため、成分を分析している。一緒に食べた家族に症状は出ておらず、女性も快方に向かっているという。
群馬県では、同商品を食べた伊勢崎市の女性が「下唇がけいれんするのを感じた」と伊勢崎保健福祉事務所に通報。東京都にも舌のしびれや吐き気などの訴えが6件あったが、現時点では有害物質が検出された事例は報告されていない。
一方、千葉県警と柏市は16日、舌のしびれや吐き気を訴えていた同市内の2人が食べ残したインゲンから、ジクロルボスなどの有機リン系農薬は検出されなかったと発表した。
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