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<ジクロルボス>基準超過、過去14回 水産食品でも

10月16日15時1分配信 毎日新聞


 中国産の冷凍インゲンから高濃度で検出された農薬ジクロルボスが、ギョーザ事件を含めて厚生労働省の検疫などで過去8年間に計14回、輸入された中国産食品から基準を超えて検出されていたことが分かった。原因不明なケースが多く、農薬と無関係な水産食品でも検出例があった。ギョーザ事件で最大の問題となった農薬メタミドホスと違い日中両国で広く使われている農薬とあって、混入ルートの特定は難しくなっている。

 ジクロルボスは食品衛生法により、加工していない農産物で0.1〜0.5ppm、それ以外の食品は一律0.01ppmを超える残留があると輸入できない。厚生労働省の統計では、00年12月〜04年8月に検疫で中国産食品から計10件の基準値を超える違反が見つかった。内訳はマツタケ3件、青物野菜2件、うるち精米2件、トウモロコシ、冷凍イチゴ、生薬各1件。このうち混入原因が確認されているのは農薬の使用管理不足だったマツタケ2件、うるち精米1件の計3件しかない。

 04年9月以降は検疫での検出はなかったが、今年2月に中国産冷凍ギョーザから、メタミドホスのほかにジクロルボスの混入も判明。その後、輸入業者が自主検査を強化し、冷凍のサバ、シシャモ、イカ天ぷら各1件で相次いで検出された。水産食品では通常、製造工程でジクロルボスが使われることはなく、輸入業者の現地工場調査でも保管や使用は確認されなかった。

 唐木英明・東大名誉教授(毒性学)は「中国でジクロルボスは食品の生産段階だけでなく加工場での消毒などあらゆる場面で使われている。ただし、故意と考えられる濃度に達するケースは、経路が明らかに違うのではないか」と指摘する。

 ジクロルボスは日本国内でも1957年に農薬登録され、現在も広く流通している。野菜や果樹への散布や倉庫の薫蒸などに使われ、研究機関に微量の試薬がある程度のメタミドホスとは事情が異なっている。【清水健二、石川淳一】

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最終更新:10月16日15時1分

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