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中山前国交相:やっぱり出る…引退撤回、衆院選出馬の意向

会見で次期衆院選への不出馬を正式に表明した中山前国交相=宮崎市で2008年10月4日、小原擁撮影
会見で次期衆院選への不出馬を正式に表明した中山前国交相=宮崎市で2008年10月4日、小原擁撮影

 成田空港拡張が進まなかった原因を「ごね得」などとした一連の問題発言の責任を取って引退を表明した自民党の中山成彬(なりあき)・前国土交通相(65)が引退を撤回し、次期衆院選に出馬する意向であることが分かった。16日午後、緒嶋雅晃・同党宮崎県連会長に「やっぱり出る意思を固めた」と携帯電話で伝えた。既に公募制で候補者選びを進めている県連は困惑を深めている。 

 複数の県連関係者によると、中山氏は16日昼ごろ、地元支持者との会合に出席。「東国原(英夫)知事が(衆院選に)出馬しないと言うから、自分が出らんといかん」と引退を撤回。その場で自民党選挙対策委員会の古賀誠委員長らに電話し「党本部にも了解をもらった。明日、東京で古賀さんと同席して立候補の記者会見をする」と党公認で出馬する意向を語ったという。中山氏は所属している町村派の森喜朗・元首相の了承も得たと付け加えたという。

 中山氏は16日夜、毎日新聞の取材に対し「宮崎をはじめ全国から『次期衆院選に出てくれ』という声をたくさんいただいた。どうしたらいいか迷っているが、17日に古賀選対委員長と話し合い、その後会見したい」と述べた。

 党県連は3日に中山氏から「今回の選挙には出馬しません」とファクスを受け、1区の候補者選びに公募を実施。46人の選考委員には中山氏も加わり、15日に14人の応募を受け付けたばかりだった。18日には候補を決める予定で、16日に電話を受けた緒嶋会長は「中山さんには『出馬はやめてほしい』とだけ呼びかけた。自分で辞めたのに、また出るなんて県連への裏切り行為だ」と頭を抱え「公募の手続きは粛々と進める」と話した。

 ある自民県議は「中山氏に振り回されっぱなしだ。仮に党本部が中山氏を公認しても、県連はどこまで協力できるか」とあきれ顔。14日に中山氏と面会したという県連幹部も「『問題発言で迷惑を掛けた。今回の選挙は出ません』と反省した様子だった」と驚きを隠さなかった。一方で「中山氏はその時も『今後も日教組批判は徹底してやりたい』と語っており、未練があったのでは」と振り返った。

 一方、宮崎1区から出馬を予定している共産党県書記長の馬場洋光氏(39)は「信じられない。国民をなめているとしか言いようがない。暴言の責任を取って不出馬を表明したはずなのに、すぐ翻すなんて常軌を逸している」と憤った。【中尾祐児】

毎日新聞 2008年10月16日 21時38分(最終更新 10月16日 22時25分)

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