麻生太郎首相は16日の参院予算委員会で、米国の株価が再び暴落していることに絡み、「(米国が用意した公的資金投入の規模が)不十分だったから市場は(株を)売り浴びせている」との認識を示した。大塚耕平氏(民主)の質問に答えた。
米国は公的資金2500億ドルを大手行などに資本注入することを決めている。麻生首相は「一応の評価はあったと思う」としながらも「不十分だからマーケットから声が出ていると理解している」と、米国の資本注入の規模が小さすぎるとの考えを示唆した。首相発言の背景には、米国株に連動し、日本株も暴落したことへのいら立ちがあると見られるが、日米欧など主要8カ国(G8)は16日、金融危機克服へ緊急の首脳共同声明を発表し、国際協調をアピールしたばかり。市場では「G8の足並みの乱れをイメージさせる失言」(米投資会社)との声も出ている。【須佐美玲子】
毎日新聞 2008年10月16日 21時42分