「迷惑掛けた」前田氏が次期衆院選不出馬表明

 マルチ商法業界から献金を受け、業界寄りの国会質問を繰り返していた民主党の前田雄吉衆院議員(48)=比例東海、3期=は16日午前、名古屋市中区の愛知県庁記者クラブで会見し、離党と次期衆院選の党公認(愛知6区)返上、同選不出馬を表明した。会見中、時折涙ぐむ場面もあったが、業界に対しては「消費者保護のため個別法を作るなどして健全化に努めたい」と今後も政治活動にかかわる姿勢を示した。
 前田氏は秘書を通じて同日午前10時に党本部に離党届を提出。「次期衆院選は政権交代が懸かった選挙。マスコミ報道で同志に迷惑を掛けた。日本を変える戦いに自分が関係することでストップをかけたくなかった」と理由を語った。小沢一郎代表とは14、15日に会談。進退は自分で決めるよう促され、離党などの決意を伝えた際には「必ず帰ってこいよ」と言葉を掛けられたことを明かした。
 前田氏は2003―07年の5年間に自身の政治資金管理団体などにマルチ業界から計1306万円余の講演料、献金などを受けていたことを明らかにした。その上で「胸を張って天地神明に誓って議員としての職務を果たしている」とし、業務停止命令を受けた業者3社からの講演料計210万円を14日に返金したとした。国会質問に関しては「自分の意思で質問した。要請されたことはない」と関連性を否定した。
 自身の今後については「解散の瞬間まで支持者の支援に応えたい」と議員辞職は否定し「再度国政に挑戦したい」と政治活動を続け、再チャレンジへ意欲をみせた。愛知6区の後継者については「信念のある人にやってもらいたい」と述べ、名前が挙がっている石田芳弘元犬山市長について「経営感覚がある方。石田氏も適任者ではないか」と述べたが、具体的な後継指名はしなかった。
 最後に前田氏は「温かく見守ってくれた人に感謝する」と、吹っ切れた表情で会見を締めくくった。
【写真説明】時折言葉を詰まらせながら会見する前田雄吉議員=16日午前、名古屋市中区の愛知県庁

(2008年10月16日更新)


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