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歌舞伎:新作「大老」上演 吉右衛門が直弼役「人生の機微ある芝居に」

 井伊直弼(なおすけ)の半生を描いた北條秀司の新作歌舞伎「大老」が、中村吉右衛門の直弼により、国立劇場(東京・三宅坂)で上演されている。

 北條が自作の「井伊大老」を改訂したのが「大老」で、初演は1970年の国立劇場。攘夷(じょうい)派を処罰した「安政の大獄」で知られる直弼は、吉右衛門の実父の松本白鸚(はくおう)(八代目幸四郎)がつとめた。

 「実父も、慎重さをもちながら、時としてびっくりするような決断をする人でした。風流人でもあったし、直弼にはぴったりで、無理せずに作れる役だったろうと思います」

 兄の死の前、井伊家の部屋住みだった直弼は、幕府に不満を持っていた。

 「でも、自分が中枢になると、思った以上に大変だった。今でもそういうことはあるでしょう。国を動かすのは生きがいのある仕事だが、人間として捨てなければいけない部分も出てくる。最後に『捨て石になるのだ』と死んでいきます」

 「桜田門外の変」の前夜、側室のお静(中村魁春)と過ごす場面は「井伊大老」から取り入れ、丁寧に演じる。

 「人間としての直弼、人間としてのお静の芝居にしたい。(中村)歌右衛門のおじさんのお静で『井伊大老』の直弼を演じたのが僕の財産でもあり、大好きな場面です。男女の人生の機微が底辺にある芝居だと思います」

 長野主膳は中村梅玉。27日まで。問い合わせは0570・07・9900へ。【小玉祥子】

毎日新聞 2008年10月15日 東京夕刊

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