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自衛隊病院:開放せよ 昨年度赤字217億円、財政審が運営見直し提言

 ◇職員・家族のみ対象

 財務省は15日開いた財政制度等審議会(西室泰三会長)で、大幅な赤字経営に陥っている自衛隊病院(全国16カ所)について、統廃合や地域への開放など抜本的な運営見直しを防衛省に求める方針を明らかにした。

 自衛隊病院は、訓練や有事での自衛隊員の傷病の早期治癒などを目的に、陸上、海上、航空の各自衛隊が個別に運営。病床数は計2030床で、多くは基地や駐屯地の隣接地に設置されている。

 しかし、既に地域の一般患者にも開放されている札幌市など五つの自衛隊病院を除き、利用を防衛省職員と家族に制限。また、有事への備えを理由に、一定数の空きベッドを確保していることもあり、病床利用率は28%と、一般病院平均(76%)の3分の1に低迷。この結果、自衛隊病院の収支(07年度)は323億円の支出に対し、106億円の収入しかない計算で、大幅な赤字となっている。

 財務省は「あまりにも非効率的」と判断。さらに、幅広い診療科をそろえている自衛隊病院の一般開放が進めば、地域での医師不足対策にも役立つとして、早急な運営改善を求める方針を決めた。【清水憲司】

毎日新聞 2008年10月16日 東京朝刊

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