更に闘う者達

チャット体験初日にしていきなり躓き、ＡＯＬですっかり嫌われ者になってしまった私は、一ヶ月でＡＯＬを解約した。

（俺はもうクリーンルームには居られない。これからは反ほのぼのチャット、アンチ和み系を極めねば・・・）

そんな悲壮な決意を胸に、ＨＮをバブからドサ健に改名した。そしてやってきたのがＭＳＮのチャット部屋だった。
それにしても何故、チャット初対面の人とわざわざ意味のない喧嘩をする必要があるんだろうか？ その辺がまったく理解できなかったが、とりあえず面白そうなので入室してみた。喧嘩に関してはそれほど自信があったわけではないが、とりあえず入室時の挨拶の「こんにちは！」だけなら誰にも負けない自信があった。



ＭＳＮ　喧嘩チャット部屋


ＭＳＮ喧嘩部屋・・・そこは通常の喧嘩チャットだけでなく、ナンパ、ウイルス攻撃、ブラクラの踏ませ合い、ＩＰの抜き合い、画像のばら撒き合い（例えばこんな感じ）なども横行する巨悪のチャット部屋だった。まずＭＳＮ喧嘩部屋へやってきて、一番最初に驚いたのがその喧嘩レベルの高さだった。特に常連ホスト連中のブラインドタッチによるタイプスピードの速さは恐るべきものがあった。ほとんど片手打ち状態のこちらが１回煽る間に３回くらい煽られてしまう。そして煽りの文句も強烈で、喧嘩は３時間くらいぶっ通しで続く。中には５時間以上も１対１の煽り合いを続けた猛者もいる。当時の喧嘩部屋で最強と謳われていたガットとぶらっく民のレスを紹介してみよう。

ガット

「喧嘩開始数秒で唾棄　ハイ　運命的な示唆を感じます」
「そんなへたれな言い回ししかできねえで、俺に絡んでくんなよプハ 」
「その執拗な妄想（匿名ですよ？あはっ）は　バイタリティ溢れる雑草魂が顕著に拝めて　大変愉快だね」
「リアリストから遠くかけ離れたキチガイぶり（ちゃんと学んでますかあ？）見事ですね　プハ」
「おまえのレスって　どうでもいいや感が大変盛んで　マジでバカ丸出しだよん 」
「やる気ねーっていってんだろ　おまえに対する姿勢はアソビ以外の範疇から逸脱できねえんだよ・・・」
「おまえの領域無限な妄想スタイルには閉口ものだよ　もうっ 」
「いやいや、音符で必死にプライド誇示しようとしてんのは　わかるけどよ？それこそおまえの弱さ（ボキャ貧）を垣間見れる瞬間なんだよ（笑）」
「これはタイピングおせえのか、頭の回転おせえのか　どっちなんだい？」
「会話できねえのは　おまえに知識がねえからじゃねの？（笑）　フウフウいってるの？辞書でも持参しろカス」
「いやいや、これこそ指摘な？反芻で調子こくなへたれ　と言いたいのです 」
「もしかして　日本語もままならない　在日ですか？（笑）」
「っていうか　何度質問系煽りしてやったとおもってんだよ（笑）　だいたい、論拠から　すたこら逃げてるのおまえじゃねえか（笑）」
「おまえって靴底が減りつづけても気付かず汗流す営業マンみてえに　頑張り屋なんだね？息あがってない？」
「落ち着け　終止符うってやっただろ？　まだ執拗に噛み付いてくるおまえって・・・プププ 」

ぶらっく民

「お前って一日中ＰＣやってんの？ それよりお前ＰＣ一日中つけんてんなってば。電気代の無駄だしね」
「長文必死に打ってるっぽいけどさ　マジ読む気にもならない文章ばっかり　意味わかんねぇしさぁ 」
「だからお前は外に出てスポーツでもやらないと日光浴びないまま死んじゃうよ（笑）」
「あ　お前やっぱ人間じゃなくてゴキブリなのかな？」
「お前ほんとゴキブリみてぇだよぅ　昼はいるけど活動するのは夜だけだしな 」
「ゴキブリってひっそりと家の隅で生きてるし　まさにお前だね（笑)」
「お前とゴキブリの価値って天秤にかけると調度つりあうね（笑)」
「今度ゴキブリ飼えば？お前のいい友達になってくれると思うよ（笑)」
「お前　人間とコミュニケーションとるのはチャットだけにしてくれよ（笑)」
「でもさ　虫のくせにチャットできるだけ凄いと思うよ（笑)」
「お前って現実世界でも汗水たらして生きていないと人ごみから溢れちゃうようなカスなのね 」
「どこを辿って、その発想になったんだ？マジで頭大丈夫？ やっぱチャットオタは飯よりチャットなのかな？」
「お前いい加減にしないとチョロＱにして走らすよ？　よし、お前チョロＱ決定だ。ブンブン走れる権利をお前にやろうｗ」
「お・・・雑魚は群れるの法則実践・・・ハァハァ・・・」
「なんどもくじけず交信クリックしちゃうお前の勇姿はほんとに勇ましいですね！」
「腹いて・・・雑魚 お前のせいで腹痛くなってきただろ アフォ 　お前の煽りは２才児のそれです・・・南無ぅ・・・」
「きもいのでなるだけ早く溶けて死んじゃっておくれやすぅ プププ 」
「お前の勇敢な糞レスでみんなやる気０になってたよ？ 頼むし浄化してくれよ・・・」


こういった強烈な煽りを、超高速のブラインドタッチで次から次へと繰り出してくる。それに対して雑魚どもは「それ、お前のことじゃん」と言う程度の鸚鵡返しが精一杯だ。又この鸚鵡返しこそ喧嘩師として最も恥ずべき行為である。そしてそんな雑魚どもはホストの持つハンマーによって、チャットルームを強制退出させられる。強制退出時間には１５分、１時間、２４時間の３通りがあり、私も一度だけ２４禁を喰らったことがある。そこで私は考えた。どうすればガットやぶらっく民の高速タイプに負けずに、彼ら以上の猛スピードで強烈な煽りを繰り出せるかを。

（やるしかねえ・・・コピペだ！）

奴らに対抗する為、３００種類以上の煽りをワード登録した。そしてコピペで次々とそれを繰り出す。

「雑魚っち♪がそんなとこで発言してたら危ねえぞ。白線の内側に下がってろ。シッシッ」
「ＰＣの前で顔面真っ赤にしてタイプしてるお前の姿。想像しただけでキモイよ？」
「頭煮えてる？でもＰＣに八つ当たりして叩き壊すなよ。ＰＣはお前のたった一人の大親友なんだから。ぎゃは！」
「シャキシャキとレス返さんかい。まごまごしやがると逆さにして踏み潰すぞ」
「レス遅えＹＯ！　ねえねえ？きみってば前世はカタツムリ？」

こうやって彼らと互角に渡り合い、喧嘩部屋登場一ヶ月ほどでホストの座を手に入れ、最も有名で人気のある喧嘩師の一人となった。この当時の人気振りを示すエピソードとして、大阪のとあるホテルの従業員たちが、女子社員から主任までドサ健の妹、ドサ健の弟などと名乗って勤務中に喧嘩部屋へ来ていたのである。又、３月には学校が春休みになった消防、厨房がドドッと喧嘩部屋へ押し寄せ、私と覇を競い合ったのである。少ない時でも３〜４人相手、多い時は１５人程を相手に一人で闘ったこともある。その当時の懐かしい喧嘩ログもここに貼り出しておこう。


ゲスト_まさお : どさ健。おまえは本当に恥ずかしいヤツだな
ゲスト_さんご : ドサケン、おまえはデブでハゲだろ？
ゲスト_デルキング : いい年して喧嘩チャットなんかして恥ずかしくないのか！
ドサ健 : いやいや。俺っちは素晴らしい人だぞ＞おおる
ゲスト_ブンブン が入室しました。
ゲスト_まゆみ : ねえどちゃけーん
ゲスト_ブンブン : うんこー！うんこー！うんこー！
ゲスト_ブンブン がチャットから退出しました。
ゲスト_モック : ドサ健死ね！
ドサ健 : 無勢に多勢とは卑怯なり＞おおる
ゲスト_ブンブン が入室しました。
ゲスト_さんご : おまえは武士か。バカ＞ドサケン
ゲスト_ブンブン : うんこー！うんこー！うんこー！
ゲスト_ブンブン がチャットから退出しました。
ドサ健 : あんの野郎ー！ハンマーで落とし損ねたぜ。ちっ。
ゲスト_まゆみ : どちゃけーん　わたしと遊ぼー！
ゲスト_ブンブン が入室しました。
ドサ健 : またきたか！
ゲスト_ブンブン : うんこー！うんこー！うんこー! うんこじじいー！
ゲスト_ブンブン : うんこー！うんこー！うんこー! うんこじじいー！
ホストドサ健によってゲスト_ブンブン が強制退室させられました（２４時間のアクセスを設定）：今度という今度は逃がちゃんぞ！
ゲスト_ブンブン がチャットから抜けました。
ゲスト_まゆみ : けんちゃん やったー！
ドサ健 : 俺っち最高！俺っち最強！ぎゃああああああああははははははははああーーーーっ！！

ＭＳＮ喧嘩チャット部屋での輝ける歴史

以上

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