学校側の賠償額を減額 広島市のいじめ控訴審判決いじめが原因で不登校になり統合失調症を発症したとして、広島市立幟町中の元生徒(20)=鳥取県=と両親が賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁は15日、担任の過失を認め市や同級生らに計約830万円の支払いを命じた1審判決を変更、賠償額を約460万円に減額した。 礒尾正裁判長は「いじめがなくても統合失調症を発症した可能性はある」などと指摘。1審が、いじめ行為と統合失調症発症の慰謝料を個別に算定したのに対し、一括して1000万円とした上で7割減額した。 「担任が元生徒と同級生を友人ととらえたことに過失はない」との市側主張は「いじめを認識し、防止措置を講じる義務を怠った」と退け、あらためて過失を認定した。元生徒らは約2600万円の賠償を求めていた。 判決によると、元生徒は2年生だった2001年5月ごろから同級生4人から首を絞められたり石を投げられるなどのいじめを受け、02年6月不登校に。その後、統合失調症と診断された。 市は「主張が認められず残念。関係部局と協議し、対応を検討する」とコメント。原告側代理人は「損害を軽く見ており、不当。上告する方向で検討する」とした。
【共同通信】
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