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【第42回】 2008年10月16日

“アルバイト以下”の待遇に喘ぐ
若手正社員の悲惨な職場事情

 新卒採用で希望通りの企業から内定がもらえず、「とりあえず働き始めた」という就職氷河期世代は少なくない。社会に出てから数年が経ち、転職や正社員への転換でステップアップを考えている若者も多いだろう。

 しかし、募集が多く内定をとり易い職種や業界には、必ずと言っていいほど「辞めていく社員が多い理由」がある。人材ニーズが多いということは、裏を返せば社員を大切にしない会社が多いということだ。

 実際、正社員とは言っても、長時間労働を強いられたあげくに「賃金を時給計算するとアルバイト以下の水準」という会社も多い。そんな会社へうっかり就職してしまうと、まさに「名ばかり正社員」に身を落とすことにもなりかねないのである。

 実のところ、今やそんなケースは巷にゴロゴロある。名ばかり正社員とはいったいどんな境遇で働いている人々なのだろうか? 現在増え続けている「若者の悲惨な職場」の実態を紹介しよう。

基本給10~14万円のはずが
フタを開ければわずか8万円!?

 まずは、関西地方で生まれ育った宮田友子さん(仮名・27歳)のケース。友子さんは2002年3月に大学を卒業後、大阪で教育関連の大手出版社に正社員採用された。

 しかし、営業ノルマがきつく、4日間セールスのアポイントがとれないだけで、上司から「全国どこにでも異動できるよな」と退職勧奨を受け、入社4ヵ月で退職に追い込まれてしまった。

 そこで、「もう営業はこりごり。手に職をつけよう」と医療事務の資格をとるため、アルバイトをしながら勉強を始めた。04年春には医療事務の検定試験にパスし、ハローワークで病院の求人を探した。

 興味を持ったのは、  「基本給10~14万円、職能給4万円、皆勤手当て1万円、交通費別途支給」という個人経営の整形外科医院。1人暮らしのアパートから近かったこともあり、応募して採用された。

 ところが、就職して初任給をもらった時に愕然とした。

  「基本給8万円? 求人広告と全然違う……」

 給与明細を見て強い不満を感じたものの、経験の浅い友子さんは院長に疑問をぶつけることができなかった。1年後、基本給は8万5000円になったが、それでも求人広告に示されていた額には遠く及ばない。

 3人いた看護師は次々に辞めて、今は看護師がいない状態。そのため、医療事務担当で受付けにいるはずの友子さんが看護師の代わりに診察室に入り、注射の準備までやっている。医療行為は行わないものの、「違法行為スレスレ」の業務を課せられたのだ。

関連キーワード:社会問題 企業 労使

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