お願いタッチ！タッチ！股間にタッチ！セクハラ校長悪ノリ！

　北九州市教育委員会は１５日、職場の女性教諭らにセクハラやパワハラを繰り返したとして、同市若松区の市立中学の男性校長（５７）を停職６か月の懲戒処分とした。この校長は日ごろから問題発言を連発。７月の飲み会では、３０代の女性教諭がカラオケで歌うアニメ「タッチ」の主題歌に合わせ、この女性教諭に自身の下半身などを「タッチ」させていたという。

　♪タッチ　タッチ　ここにタッチ　あなたから〜。あの名曲をバックに校長先生がセクハラ行為に及んだ。北九州市教委によると、この校長は７月４日、３０代の女性教諭や女性教頭、男性学年主任ら８人で飲みに出かけた。教育実習の打ち上げで女性の実習生も同席したという。

　市内のレストランでの１次会終了後、校長は女性教諭らを引き連れ、カラオケ付きの小料理屋に移動。「この女性教諭は宴会が好きではなく、２次会に行くこともあまりありません。校長が『たまには行こうよ』という感じで声をかけたようです」（市教委）

　校長は焼酎とつまみを口にしながらカラオケを歌っていたが、途中で帰った人もいて午後１１時前には女性教諭と教頭の３人に。女性教諭は２人に挟まれる形でカウンターに座っていたという。女性教諭と教頭は車で来ていたため酒は飲んでいなかった。

　午後１１時３０分ごろ、校長はまだ１曲も歌っていなかった女性教諭に「帰りしなに歌ったら」と進言。女性教諭が岩崎良美の「タッチ」を選曲すると、校長の悪ノリが始まった。女性教諭のマイクを持っていない方の左手を握ると、サビのフレーズ「タッチ、タッチ」に合わせ自分の胸にタッチ。さらに「ここにタッチ」で女性教諭の手を自身の股（こ）間に押し当てたと言う。

　「恐らく２番まで歌った」（市教委）ため、女性教諭は最低６回は不本意なタッチを強要されたことになる。「とても気持ち悪いと感じたが、我慢した」と女性教諭。居合わせた教頭も女性だが「（セクハラの）事実はあったが、場の雰囲気があり、言えなかった」という。校長は「詳細は覚えていない」としている。

　女性教諭は７月８日、耐えきれずに男性学年主任に相談。校長は教頭立ち会いのもと、女性教諭に謝ったが「通り一遍の文句で５分程度。女性は、この校長の態度に大きなショックを受けたようです」（市教委）。

　そして同１８日、校長は女性教諭が出席していない飲み会で、ほかの教諭らに「あいつはつまらん」「来年飛ばす」などと発言。８月１９日、女性教諭からの通報を受けた市教委が調査を開始した。すると校長は日ごろから問題発言が多かったことが発覚。教頭に「ばあさんになったなぁ」。別の女性教諭に「お互いメタボやな」などと言っていたことが分かった。

　校長歴１０年以上のベテランで、この中学に赴任して３年目。「学校経営能力はある」「生徒指導の力がある」と評価の声もあったという。一連の言動について「コミュニケーションの一環としてやった」と説明。女性教諭は通常通り勤務しているものの市教委では「メンタル面をフォローしていきたい。今回の件は重く受け止めている」と話した。