小林麻央ポスター横流し？！厚労省作製非売品が「ヤフオク」出品

　女優でニュースキャスターの小林麻央さん（２６）を起用した厚生労働省の「労働保険適用促進月間」（１０月１〜３１日）の啓発ポスターが、インターネットの「Ｙａｈｏｏ！オークション」に出品されていたことが１５日、分かった。ポスターは非売品で、一般個人が入手することは困難とされる。このため厚労省関係者や配布先から“横流し”された疑いもあり、同省では流出経緯の調査を開始した。

　日テレ系「ＮＥＷＳ　ＺＥＲＯ」などで活躍する小林さんの非売品ポスターが、ネットオークションに流出した。厚労省関係者が、小遣い稼ぎの目的で“横流し”した可能性も指摘されている。

　ネットオークションに出品されていたのは、企業の経営者に対し従業員を労災保険と雇用保険に加入させるよう促すポスター。小林さんが右手親指と人さし指で丸印をつくり笑顔で「社員の安心にマル！」と呼びかけている。Ｂ２サイズなど３種類、計約７万枚が作製された。９月中旬から、各地の労働局やハローワーク、経済団体のほか、駅やデパートなどにも掲示されているという。

　オークションへの出品は、まだ「促進月間」が始まっていない９月２８日に確認された。出品者の居住地は、北海道、長野、福岡から計３件で、出品者は３００〜１０００円のスタート価格を設定。すでに全件落札されており、最高落札価格は１３６０円だった。このほか「クイズに答えてプレゼント」とうたい、２種類計２０枚の無料配布を告知したものもあった。

　ポスターは一般の個人が入手できるものではなく、厚労省職員や配布先などから流出した疑いも浮上している。厚労省労働保険徴収課は「疑いたくはないが、駅やデパートなど公共の場でも張られているので、民間の人の手に渡る可能性もある」としながらも、「目的外の使用で遺憾。調査を進め再発防止に努めたい」と調査を開始した。

　同課は、オークションを運営するヤフー（東京）に対し、出品者に関する情報提供や出品中止を申し入れた。しかし、ヤフー広報は「捜査機関からの要請以外では、出品者情報は開示していない」と説明している。

　小林さんは、０７年にも厚労省関連の特別民間法人・中央労働災害防止協会の「全国労働衛生週間」のポスターに登場している。こちらも、「Ｙａｈｏｏ！オークション」に出品されているが、１５日夜現在、１件も入札されていない。

　昨年９月には、広島県北広島町の女性職員が、女優・長澤まさみが登場する農水省作製の食育啓発ポスター計３５枚を無断で自宅に持ち帰り、職員の息子がネットオークションに出品し、計１１５０円で販売していた問題が発覚。女性職員は、戒告処分を受けている。