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韓国経済を過度に心配する英国

写真提供=ブルームバーグ通信
 外信報道に接する際、時に不快な気分になることがあります。自分がすると「ロマンス」で、他人がすれば「不倫」というのと同じようなものでしょう。

 14日付の英国紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「沈没する感覚」という見出しの記事を掲載しました。この記事は「韓国が抱える外債は総額で4000億ドル(約40兆円)に達し、短期外債(満期が1年以内)は1756億ドル(約17兆5000億円)に達するが、外貨準備は2400億ドル(約24兆円)にすぎない」と指摘し、金融危機の可能性を警告したのです。

 新聞のほぼ1面を割いた長文の記事ですが、あまりにも誇張が過ぎるとの印象はぬぐえません。例えばポスコは最近、大宇造船海洋の買収に使用するため10億ドル(約1000億円)の債券を発行したのですが、これについても「外貨不足が原因」と勝手に解釈するなど、事実誤認が甚だしい内容だったからです。

 「ザ・タイムズ」も9月1日付で韓国の外貨準備が減少している事実を指摘し、「韓国は暗黒の9月に向かっている」という刺激的な記事を掲載しました。

 マスコミが国の経済状況について報じるのはごく一般的なことです。しかし英国のマスコミ各社による「韓国批判」はあまりにも度が過ぎており、韓国政府もどのように反論すべきか頭を痛めています。

 実は英国の経済状況も他人の心配ばかりはしていられません。韓国銀行の資料によると、英国の外債は総額で5兆7588億ポンド(約987兆円)に達し、その中で短期外債は75%に当たる4兆2959億ポンド(約736兆円)です。韓国の短期外債1765億ドル(約17兆6000億円)とは比較にもなりません。

 また、英国の外貨準備はたったの722億ドル(約7兆2000億円)で、英国の短期外債のわずか100分の1です。韓国の2400億ドル(約24兆円)に比べても非常に少額です。英国は経済の70%以上がサービス産業のため、1985年からこれまで経常収支黒字を記録したことがありません。昨年の経常収支赤字はなんと1152億ドル(約11兆5000億円)にも達しました。今年の韓国の経常収支赤字は100億ドル(約1兆円)と予想されています。

 つまり英国は、政府も国民もどちらも借金の上に成り立っているのです。

 英国の国内総生産(GDP)に占める政府の負債の割合は37.5%で、欧州連合(EU)主要国の中では最も高くなっています。また英国国民の可処分所得に占める負債の割合は164%で、これも経済協力開発機構(OECD)加盟国の中ではトップです。英国の住宅価格下落の割合も、欧州では最も高いグループに属しています。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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