質店から詐欺事件の被害品とうそをつき、高級腕時計をだまし取ったとして、埼玉県警は15日、捜査3課所属の巡査部長、田中博之容疑者(43)=同県東松山市松山町3丁目=を詐欺容疑などで逮捕したと発表した。県警によると、調べに対し、「金が必要だった」と容疑を認めているという。
県警監察官室などによると、田中容疑者は7月29日午後3時半ごろ、県内の質店でにせの捜査書類を作成し、女性社員(22)からロレックスの時計1個(15万円相当)をだまし取った疑いが持たれている。同容疑者は社員に「カード詐欺事件の被害品で、任意で提出して欲しい」と説明したという。
田中容疑者は87年4月に巡査になり、05年10月に捜査3課に異動。質屋を回るなどして盗品の捜査をしていたという。今月2日、別の捜査員が質店に行った際、店側から「(田中容疑者が)持って行った時計はどうなったのか」と問い合わせがあり、発覚したという。
高橋克郎・監察官室長は「警察官としてあってはならないことで、遺憾だ。厳正な処分を行うとともに、再発防止を徹底し、信頼回復に努めたい」と話した。