マルチ商法業界寄りの国会質問を繰り返していた民主党の前田雄吉衆院議員(48)=比例東海=が、法人税法違反(脱税)罪で罰金刑を受けたマルチ企業から、刑の確定翌年の07年に、計60万円の講演料を受け取っていたことが15日、分かった。
法人税法違反罪で罰金刑を受けたのは「ナチュラリープラス」(東京都港区)。同社は07年、前田議員の資金管理団体「未来政策研究会」に、30万円ずつ2回の計60万円を講演料として資金提供していた。
東京地検は05年11月、02年8月期までの2年間に約4億1千万円の所得を隠し、法人税約1億2千万円を免れたとして、同社と当時の社長ら幹部3人を法人税法違反(脱税)の罪で起訴。東京地裁は06年4月に同社に罰金3千万円の有罪判決を言い渡し、翌5月に刑が確定した。
前田議員は06年の国会質問で、「法を破る者については厳格に取り締まる。一方、納税の義務をきちんと果たされる(マルチ業者の)皆さんには保護、育成すべき基本法が必要だ」と述べていた。