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ハトシェプスト女王葬祭殿の旅記事を書く前に、ルクソール事件のことを書かずにはいられない。
自分のような旅人にとってはあまりにもショッキングでなおかつ大きな憤りを感じた事件だったからだ。
1997年11月17日午前9時ごろ。ルクソールのハトシェプスト女王葬祭殿にてイスラム過激派テログループが外国人観光客約200名を待ち伏せし無差別に銃を乱射。銃弾が尽きると刃物で次々と襲いかかり、日本人10名を含む観光客61名とエジプト人警察官2名が死亡、85名が負傷するというかつてない大惨事が起きた。犯人グループ6名はバスを奪って逃走しようとしたが警官隊によって全員射殺された。事件直後の現場は目を覆うばかりの地獄絵図のような状態であったという。
当時、エジプトでは観光客を狙ったテロが続発していた。首都カイロでも観光バスを狙った襲撃事件があり、ドイツ人観光客10名が亡くなったばかりだった。
俺はこのハトシェプスト女王葬祭殿の他にもワールドトレードセンターや天安門などたくさんの人達が亡くなった大惨事の現場に数々訪れている。そしてそういうところではいつでも亡くなった方達の鎮魂の為に必ず黙祷をしている。このようなことは絶対にあってはならない。。。テロリズムの身勝手な理論に怒りを抑えられない。。。
また依然として、政府の実行支配が及んでいない地域もありエジプトではテロリストはまだ数多く潜在しているという見方が一般的だ。これからエジプトに行こうと考えている方は旅を楽しむことはもちろんのこと、こういったテロに対する警戒を怠らないで情報収集をしっかりとした上で慎んだ行動するよう心がけてほしいものです。
なぜ観光客がターゲットになるかというとそれはエジプトの複雑な政情に起因するところが大きい。
現在のエジプト政府は近代化の先駆けとして成立した共和制政府が政教分離を基本政策として実施しておりそれを快く思わないイスラム原理主義勢力が反政府的な勢力を形成しそれがテロリスト化していった。
現政府転覆を狙うテログループはエジプトの重要な歳入である観光収入をテロによって激減させ、経済的打撃を与えることによって、国民の不満をあおって退陣させ、その後にイスラム原理主義政権を樹立することが最終的な目的だった。しかしながら、自己主張の実現の為に罪の無い人々を大量虐殺することを正当化できるような理屈はどこにも見当たらない。彼らのやったことは決して許されることではない。
それを証拠に彼らは逃亡しようとした際、収入の糧である観光客を虐殺したことに怒り狂ったエジプト国民の地域住民に周囲を取り囲まれ逃走を阻止された。エジプト国民の指示を得るどころか反感すら買っている彼らに国の政権を担う資格などあるはずがないのだ。
俺は葬祭殿の階段の手前で亡くなった人に向けて祈った。
世界にはまだまだ危険で旅することが困難な地域が山ほどある。そんな場所が少しでも少なくなって世界中をくまなく旅できるような、、そんな世界になってほしいと願わずにはいられないです。
改めてこのルクソール事件で亡くなった方のご冥福をお祈りします。
では旅記事へ。
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そんな事件がありましたね。思い出しました。海外は、怖いですよね。お気をつけて旅を楽しんでください。
2006/12/22(金) 午後 10:49
そうですね〜。でも日本も近頃物騒ですし・・・ 日本より安全な国もたくさんありますよ♪
2006/12/23(土) 午後 4:46