子育て上手と評判だった梅梅(中央)。一緒にいるのは梅梅が産んだ双子の隆浜と秋浜=04年5月19日、白浜町堅田のアドベンチャーワールド
地元の幼稚園児にメロンパンやカーネーションをプレゼントされた梅梅=08年5月11日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド、新井義顕撮影
和歌山県白浜町の観光施設アドベンチャーワールドは15日、飼育していた雌のジャイアントパンダの梅梅(メイ・メイ)が同日午前5時29分に死んだと発表した。14歳1カ月で、人間に換算して50歳ぐらいだったという。梅梅は「日本一の子だくさんパンダ」として知られ、中国で2頭、00年7月に来日してから8頭を出産した。
施設によると、梅梅は今年1月に食欲不振や動きが鈍くなる症状が出てすぐに回復したが、今月4日に再び体調が悪化。飼育員らに見守られながら、眠るように息を引き取ったという。
パンダとしては珍しく双子を同時に抱えて授乳するなど子育て上手だった。日本動物園水族館協会は「繁殖賞」を贈り、日本動物愛護協会は「功労動物」として表彰。今夏公開の日本映画「パンダフルライフ」では「グレートマザー」(偉大な母)と紹介された。今年9月には娘の良浜(ラウ・ヒン)がアドベンチャーワールドで双子の赤ちゃんを産んだ。
今津孝二飼育部長(53)は「たくさんの子どもを育み、幸せの輪を広げてくれた梅梅の冥福を祈ります」と話した。国内で梅梅に次ぐ出産数は、東京・上野動物園で飼育されていたホアンホアン(死亡)の3頭。