ロザリア・ロンバルド

見る人を惹きつけてやまない死少女


ロザリア・ロンバルド“20世紀の奇跡”といわれるロザリア・ロンバルドは、イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女”として有名である。


【 カプチン会とは 】

カトリック教会内には厳格な信仰生活を旨とする「修道会」というグループがある。これは宗教的修行に専心する人々のグループで、イエズス会、フランチェスコ会、ドミニコ会などが有名である。

フランチェスコ会から1525年に枝分かれした托鉢(たくはつ)修道会がカプチン会だ。

厳格な修道会として有名だった托鉢修道会は、会員たちが皆、先のとがった“カプッチョ(頭巾)”をかぶったので、“カプチン会”と呼ばれるようになった。ちなみに、カプチーノというイタリアン・コーヒーの名前は、このカプチン会の会員がコーヒー色の衣を身につけたことに由来しているという。(スナック菓子の“カプリコーン”なんかもここからきてそうなかんじですね)

カプチン会は、16世紀末にはかなりの勢力になり、それとともに、死後、無縁仏となる会員の数も増えたため、会員を埋葬する地下納骨堂が築かれたのだが、カプチン会では死体埋葬時、一種のミイラ保存を行うという独特な埋葬方法がとられた。


カプチン会にゆかりがある者が死去すると、まず血を抜くなどの処置をした後、地下の小部屋に運ばれ、8ヶ月ほど閉め切ったまま放置される。気温や乾燥度合いにあって異なるが、死者が小部屋から運び出される時は、干からびた状態になっている。その後、全身を酢で洗浄され、外気に晒されて乾燥状態になってから、胴体部分にわらを巻くなどしてかたちを整え、生前着ていた服を着せられ、地下室の壁に安置される。

そのためカプチン会の地下納骨堂には、古ぼけた衣服を身につけたミイラ化した死体が8000体も眠っている。しかし、ミイラを作る技術自体があまり高くなかった事と、保存状態が悪いこともあって、ほとんどの死体は白骨化してしまっている。パレルモ カプチン会の安置所

花嫁衣裳を着た女性、人形を抱いて手招きする幼児など、それらは皆、生前と同じようなポーズを取りながら吊られたり、寝かされたりした格好で並んでいる。

死後の生を認めなかったキリスト教会内に、死後の生を“演出”する、このような異端的発想の納骨堂が存在するのは興味深い。

ロザリア・ロンバルドは、この納骨堂の一番奥の部屋で眠っている。


ロザリア・ロンバルドは、1920年に2歳でこの世を去ったロンバルド将軍の娘である。

彼女の死体は、サラフィアという医師の手によってミイラ化保存されたのだが、不思議なことに、なぜかまったく腐敗しないのだ。

以後、生前と同じ姿のまま、コーヒー色の衣を身につけた彼女は、あたかも眠っているかのような状態で80年以上保存されている。これが、ロザリア・ロンバルドが“20世紀の奇跡”といわれる由縁である。
しかしこの処置を施したサラフィアは、その内容を明かすことなくこの世を去ってしまった。そのため、この死体の保存方法は現在でも
のままである。

2005.07.07


が解けましたので加筆します。

※※ 2007.06.12 加筆 ※※

 

 死 蝋  フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 より引用。

死蝋とは永久死体の一形態で、死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件の下に置かれ、かつ外気と長期間遮断された結果、腐敗を免れ、死体内部の脂肪が変性し死体全体が蝋状・チーズ状になったものである。ミイラとは異なって乾燥した環境ではなく、湿潤かつ低温の環境において生成される。

イタリアのシチリア島にあるカプチン修道会の地下納骨堂に安置されているロザリア・ロンバルドのミイラは世界一美しいミイラ(永久死体)として有名な死蝋である。

魔術に用いられる用具のひとつに、ハンズ・オブ・グローリー(栄光の手)と呼ばれるものがある。これは死刑になった罪人の腕を切り落として死蝋化させた物で、儀式における蝋燭代わりや、様々な加護をもたらす護符として使用された。また泥棒が盗みに入る家の門前でこれに火をつけ、うまく火がつけば盗みは成功するが、うまくつかなかった時は失敗するので退散したほうがよい、とされる。

 

手短に引用だけで済ませてしまって申し訳ないですが、お分かりいただけましたでしょうか。以上が、ロザリア・ロンバルド/腐らない死体の正体だったわけです。

ハンズ・オブ・グローリー(栄光の手)は、子供の頃読んだオカルト本にもよく載っていたので、「死蝋」というものがあるのは知っていたはずなのに、ロザリア・ロンバルドのことを知った時、一度も死蝋のことなんて思い出さず、ただ不思議だな〜と思っていました。

それで
「謎」とか書いていましたが、まだまだ私の調査不足だったんですね。
しかし、謎が解けてスッキリしました。


ロザリア・ロンバルド


< 参考書籍 >

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 ヨーロッパホラー&ファンタジー・ガイド 魔女と妖精の旅 


気になる資料室〔 分室 〕職員のサボリ部屋 「腐らない死体について」 「ロザリア・ロンバルド人気を考察する」


 


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※写真引用元: The Capuchin Catacombe of  Palermo http://www.micheloud.com/FXM/PHOT/catacomb.htm

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