概要になりますが、TPSAでは、以下の様なシンプルな計算式でPSAを計算しています。
PSA = (fragment-1の数)*(fragment-1のPSAへの寄与値) + ....
+(fragment-Nの数)*(fragment-NのPSAへの寄与値)
ここで、fragment-XはTPSAで定義されているfragmentの種類を示しています。また、PSAへの寄与値は、最小自乗法により決定されたものです。詳細は、以下の原著に示されております。
J. Med. Chem. 2000, 43, 3714-3717.
具体的には、化合物の中に、どのfragmentがいくつ含まれているかを検出し、上記式を適用することにより、PSAを求めることができます。
以上のことから、TPSAは高速かつ3D配座生成を必要としないという大きなメリットをもっていることが分かります。
CDK News Volume 3/2 September 2006, には、CDKのTPSA Descriptorの精度評価を行った論文が掲載されております。特に興味をもったのは、この論文の著者がTPSAの著者と行ったpersonal communicationを引用しているところでした。TPSAのように回帰的な手段を用いた手法では、定義されているfragmentの種類やその寄与値の精度を把握しておくことは重要だと思います。このあたりのディスカッションがとても参考になりました。
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