麻生太郎首相は6日の衆院予算委員会で、自民党の国会対策委員会が全省庁に野党から資料要求があった場合に事前相談するよう指示した問題について、「議院内閣制の下での政府・与党の関係を踏まえると、特別な問題はない」と述べ、指示撤回の必要はないとの認識を示した。民主党の長妻昭政調会長代理の質問に答えた。
首相は「資料要求の実態を把握するため、自民党国対に事前に相談するよう依頼したもの」と説明。「国会議員による資料要求が過重な事務負担にならないようルール作りをすべきだ。与野党間でのルール作りを期待したい」と主張した。
また、長妻氏が「マスコミが事前に資料要求しても知らせるのか」と尋ねたのに対し、厚生労働省の大谷泰夫官房長は「ケース・バイ・ケースだが、事前に与党に知らせることはある」と答えた。
首相の答弁に対して野党側は、民主党の菅直人代表代行が「事前に相談すれば情報提供が止まり検閲となる。そんなことも分からないのか」と記者団に語るなど、反発を強めている。
衆院予算委は、与党側が8日に締めくくり質疑と採決をするよう求めているが、民主党などは回答を保留している。【古本陽荘】
毎日新聞 2008年10月6日 22時34分(最終更新 10月6日 22時40分)