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【社会】

日比混血児と母親にビザ 27人が集団来日

2008年10月14日 夕刊

13日、フィリピン・マニラ首都圏マカティ市で日本への出発を前に会見する母子ら=吉枝道生撮影

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 【マニラ=吉枝道生】日本人とフィリピン人の間に生まれた子供とその母親計二十七人が十三日、日本で暮らすためのビザを手に日本を訪れた。日本国籍を持たないフィリピン在住の母子に日本での就学や就労、養育が認められるのは極めて異例で、国籍法を違憲とした今年六月の最高裁判決が後押しした。

 母子を支援する「新日系人ネットワーク」が送り出した。子供は七−二十歳の十三人で、六人は父親から認知されているものの日本国籍はない。しかし、両親が未婚で生後認知を受けただけでは日本国籍を取得できないとする国籍法を違憲とする最高裁判断が出たことで、政府も柔軟な対応に転じた。

 こうした母子はフィリピン国内で貧しい暮らしをしているケースが多く、同ネットワークは今後も就学、就労先を見つけて日本へ送り出していく計画。

 ある母親(37)は出発前「フィリピンでは仕事や生活環境に困難があり、日本で子供の新しい未来が開かれることを期待している」と話していた。母親たちは各地の工場や介護施設などで働く予定。

 

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