低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した米金融危機が9月以降、一段と深刻化、欧州や日本に飛び火して猛威を振るっている。米欧では大手銀行、証券会社や保険会社が次々に破綻(はたん)したり、政府管理下に置かれる異常事態に発展した。米欧当局は公的資金投入や協調利下げなどの対応策を打ち出しているが、東京株式市場では10日、日経平均が1000円超も暴落するなど動揺は続いており、危機収束の兆しは見えない。
■NAVI1・リーマン破綻
昨年夏以降、サブプライム問題がくすぶり続けていた米金融市場が、緊迫の度を増したのは8月下旬からだった。9月中旬の証券大手決算を前に、サブプライム関連の巨額損失処理を迫られ資本不足の懸念が生じていたリーマン・ブラザーズは増資を計画。しかし、頼みの綱だった韓国産業銀行が、リーマンの財務内容に疑問を持ち増資引き受けに消極的になったため、計画は頓挫しかけていた。
同じころ、米政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の2社の株価が、2~3ドル台まで下落。市場では一時、「株主価値が消失する」と危機感が高まったが、9月7日に住宅金融2社への公的資金投入が決まったのを境に、市場の標的はリーマンに絞られる形になった。
2008年10月15日
| 10月15日 | ニュースナビ:米金融危機 世界が沈む |