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【神奈川】アルコール依存症の疑い 取り消し処分者1396人アンケート2008年10月15日
国内唯一のアルコール症専門の研究機関「久里浜アルコール症センター」(横須賀市)と県警交通総務課は共同で、運転免許取り消し処分者を対象にした全国初の大規模調査を行った。飲酒運転で摘発された違反者の半数はアルコール依存症の疑いがあるといい、同センターは「依存症の人たちは『事故を起こすかも』との自覚はあるが、制御できない。アルコールを断っていくことが大切」と指摘している。 (細見春萌) 飲酒運転による事故は危険運転致死傷罪が成立した二〇〇一年をピークに減少傾向にある。しかし、同課は「法改正だけで飲酒運転根絶を目指すのは限界がある」として、〇七年一月から〇八年三月まで、同センターと、運転免許の取り消し処分者千三百九十六人にアンケートを実施した。 報告書「飲酒と運転に関する調査研究」によると、飲酒運転によって運転免許を取り消された五百五人のうち、約47%がアルコール依存症の疑いがあった。同課は「アルコール依存症の全国平均約5%(〇三年)と比べても極めて高い水準」と分析する。 一方、飲酒運転した理由については、「時間がたっているので大丈夫だと思った」「事故を起こさない自信があった」などが上位を占めた。同課は「必要に迫られていたわけではない。悪いと理解しながら飲酒運転しており、より確信犯的だ」と指摘する。 同センター副委員長の樋口進医師は「治療に加え、社会全体で飲酒運転を排除する空気をつくらなくてはいけない」としている。 県警は調査を受け、飲酒運転による免許取り消し処分者を集めた講習を来年にも始める方針。
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