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前田議員、業務停止命令のマルチ業者に講演料返還せず

2008年10月14日17時1分

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 民主党の前田雄吉衆院議員(48)=比例東海=が、自ら代表を務める二つの政治団体にマルチ商法業界から計1156万円の資金提供を受けながら業界擁護の国会質問を繰り返していた問題で、講演料として計150万円を提供した業者が経済産業省から法律違反を理由に業務停止命令を受けたのに、前田議員は返還などの対応を取っていないことがわかった。

 政治団体の収支報告書に返還を示す記載はない。業者側も「返還は受けていない」としている。前田議員は一連の国会質問で「ごく一部の悪質業者は厳格に取り締まるべきだ」と繰り返しながら、自身は問題業者からの資金提供を放置していた格好だ。

 この業者は、化粧品や健康食品などを販売する「ドリーム・オブ・トータル・コミュニケーション」(東京都港区)。前田議員が代表を務める民主党愛知県第6区総支部は04年に1回の講演料として70万円、05年に同50万円を、前田議員の資金管理団体「未来政策研究会」は06年に同30万円を、それぞれ同社から受け取っていたことが政治資金収支報告書に記載されている。

 ところが、同社はその後の07年11月、「絶対にもうかるから」などとうそを言って勧誘したとして、経済産業省から3カ月間の業務停止命令を受けた。同社の柳瀬貴美子社長は朝日新聞の電話取材に対し、処分後も講演料は返還されていないことを認めた。

 柳瀬社長によると、講演料を支払った当時は、業界で組織する政治団体「ネットワークビジネス推進連盟」の仲介で、前田議員を年に数回、販売員向けの勉強会に講師として招いていた。特定商取引法の順守などについて講演してもらったという。社長は「講演料は、講演という労働に対する対価で、単なる寄付とは違う。返還してもらう性質のものではない」と説明した。

 前田議員は14日午前、自らのホームページで、この問題について、「今回(朝日新聞)の報道で業務停止を知り、道義的に全額返還する」と表明した。

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